現役最後のTDガーデンになる可能性も
マーベリックス一筋21年のキャリアを送るダーク・ノビツキーは、まだ今シーズンを最後に現役を引退するとは一言も発していない。しかし、ダラス以外で彼のプレーを直に観られる機会は、数えられるほどに限られている。アメリカの中でも熱狂的なスポーツファンが多い街として知られるボストンのファンも、マブスの生ける伝説のプレーを目に焼き付け、彼に賛辞を送った。
1月4日にTDガーデンで行われた一戦では、第1クォーターにベンチからノビツキーが出場すると、セルティックスファンはスタンディングオベーションで彼を称えた。
Boston fans gave Dirk Nowitzki a standing ovation ? pic.twitter.com/zii4NlFzIR
— ESPN (@espn) 2019年1月5日
また、セルティックスファンがノビツキーの得点を後押しする珍しい光景も試合終盤に見られた。この試合前の時点で、ノビツキーは同会場で426得点を記録していた。この会場で最多得点を記録した西カンファレンスのチームの選手は、427得点のコービー・ブライアントだったため、この日フィールドゴールを1本でも成功させれば、ノビツキーがコービーを抜いて1位に躍り出る計算だった。この記録を、会場の全員が知っていたのだろう。すでにセルティックスの勝利が確定していた第4クォーター終盤にダニエル・テイズがフリースローを放つと、なんとスタンドから「We want Dirk!(ダークのプレーが見たい!)」というチャントが。それまで無得点だったノビツキーは、残り1分から代名詞のフェイダウェイシュート、3ポイントシュートを2本放つも失敗。失投に終わるたびに、セルティックスファンの大きな溜息が聞かれる『異様』な光景だった。
試合終了後も大歓声で称えられたノビツキーは、手をあげてセルティックスファンに応えた。試合後「セルティックスの選手も、自分に点を取らせようとしてくれた。(ブラッド)ワナメイカーも手を上げてディフェンスしていなかった。それでもシュートが短かったよ。残念だけれど、自分の日ではなかった。今日はシュートタッチが全然ダメだった」とコメント。また、「アメリカには素晴らしいスポーツ・タウンがある。試合前夜に到着すると、どこに行っても気づかれるんだ。シカゴ、ニューヨーク、ボストンが、そういう街だね。これらの街のファンはゲームについて理解しているし、ゲームの価値を理解してくれている。ホームのファンだけではなくて、ロードのファンも自分がやってきたことを正しく評価してくれるなんて、最高。感傷的になっちゃうね。今日のファンのみんなの反応は、絶対に忘れない。最後は、みんなが自分に記録を更新して欲しかったのだろうね。本当に感謝しているよ」とも語った。
これが本当に最後のボストン遠征になってしまうかは、今シーズン終了後に本人が決断する。だが、ボストンのファンは、NBAで21年もプレーしているレジェンドに、最大限の形で敬意を表した。
Boston REALLY wanted Dirk to have this last shot. pic.twitter.com/WfhjvVYsk2
— ESPN (@espn) 2019年1月5日