「誰かの真似をするんじゃなく、自分の最高のバージョンを更新し続ける」
デイミアン・リラードはトレイルブレイザーズにトレードを要求した。彼が希望するヒートへの移籍は、条件が折り合わずになかなか決まらないが、チームはすでに『リラード以後』に向けて進んでいる。
それはリラードのトレード要求より以前、NBAドラフトでスクート・ヘンダーソンを指名した時点で決まっていたのかもしれない。他のポジションの強化を差し置いて、自分と同じスコアリングガードを1巡目3位で指名したブレイザーズの判断にリラードは失望した。いずれにしてもこのドラフト指名を機に、ブレイザーズは大きく変わる。『リラードのチーム』の変化の行き着く先は、おそらく『ヘンダーソンのチーム』だ。
そのスクート・ヘンダーソンは『Playmaker』に出演し、NBAデビューシーズンに向けた意気込みを語っている。
「これからのキャリアでは、ゲームを支配し、ベストを尽くすことを目標としたい。『もっと上手くなりたい』という気持ちを持ち続けて、史上最高のポイントガードとして記憶される選手になりたい」
「これまで僕が得た最高のアドバイスは、『最高の自分であるためには自分がベストを尽くすしかない』ってことなんだ。自分を他人と比べてはいけない。みんなそれぞれ特別な能力があり、それぞれ異なる学び方をしているからね。だから、ついつい他の誰かのようにならなきゃいけないと思い込んでしまうけど、自分のロールモデルは自分であり、ロールモデルになることを目指すんじゃなく超えていくんだ」
「良いことも悪いこともたくさん言われるだろうけど、僕は自分自身であり続ける。史上最高のポイントガードになりたいけど、それを実現するには誰かの真似をするんじゃなく、自分の最高のバージョンを更新し続けるしかない。僕が目指す目標とは、そういうことなんだ」
おそらく彼は今後早い段階で『偉大なるリラード』との比較を強いられる。ポートランドでリラードと比較されるプレッシャーはとてつもなく大きいはずだが、ヘンダーソンがこの考え方を実践できるのであれば、乗り越えられそうでもある。
今シーズンの目標は「ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得することだ」とヘンダーソンは言う。ライバルは彼より上位で指名されたビクター・ウェンバニャマとブランドン・ミラーであり、ケガでデビューが1年遅れたチェット・ホルムグレンもいる。ただ先述の通り、ヘンダーソンは他の誰かと競争するつもりはない。
「自分の置かれたポジションを受け入れ、たくさんの試合に勝つことが目標だ。チーム内の役割を全うし、試合の映像から学んで次の試合に生かす。そうやってゲームを支配し、ベストを尽くしたいんだ」