ディアンドレ・エイトン

来年のパリオリンピック出場権獲得を目指し、8月の予選に出場

NBAプレーヤーは代表チームに愛着を持っていても、実際にプレーするのは簡単ではない。彼らに高額年俸を払っているのはNBAの各クラブであり、その要望は無視できない。各クラブは選手たちが次のシーズンを戦うための準備に夏を費やすことを望み、代表チームでプレーした疲弊をトレーニングキャンプに持ち込むことは望まないし、そこで大きなケガを負うのは最悪のシナリオだ。

選手はあくまで自分で決断を下すが、そこには「ウチに集中してくれ」というクラブの意向が少なからず反映される。

よってこの夏のワールドカップには、レブロン・ジェームズやステフィン・カリーといったアメリカの最高の選手が参加しないのはもちろん、ニコラ・ヨキッチも八村塁もビクター・ウェンバニャマも、NBAのシーズンを優先して代表参加を辞退している。その決断には「来年にはパリオリンピックが控えているから」という側面もあるだろう。2年連続での代表参加は所属クラブの意図にあまりにも反するし、自分の負担も大きい。

そんな流れに逆らうのがバハマ代表の面々だ。サンズのディアンドレ・エイトンとエリック・ゴードン、ペイサーズのバディ・ヒールド、ホーネッツのカイ・ジョーンズの4人は、8月のオリンピック予備予選への出場を表明した。バハマはFIBAランキング56位で、今回のワールドカップには参加しない。ワールドカップ予選ではヒールドが4試合、ジョーンズが2試合に参加したが、3勝9敗で出場権獲得には届かなかった。

オリンピック予備予選は8月14日から20日の日程で、アルゼンチンで開催される8チームの大会。オリンピック出場権を得られるのは優勝した1チームだけで、格上のアルゼンチンやウルグアイ、パナマを退けなければならない。

エイトンは2018年のNBAデビューにさかのぼること2年前、2016年のセントロバスケット以来の代表参加となる。当時は18歳にして16.0得点、11.リバウンドの平均ダブル・ダブルを記録していたが、NBAのトッププレーヤーの一人として代表に戻ることになる。「バハマ代表のためにまたプレーできて興奮している。生まれ故郷であるバハマを代表してプレーするのは、本当に特別な経験だ」とエイトンはコメントしている。