コーリー・ジョセフ

「勝利に必要な小さなことはたくさんあって、そのすべてをやるつもりだ」

ステフィン・カリーは3ポイントシュートでバスケに革命をもたらし、その実力は35歳になった今も衰えていない。そして今オフにウォリアーズに加わったクリス・ポールは、コート上のすべてを見通すバスケIQを持つプレーメーカーだ。ウォリアーズは、タイプは異なれどNBAで最も実績のあるポイントガードを2人擁して2023-24シーズンに臨む。

その一方で、カリーとポールに続く3人目のポイントガードが注目を浴びることはほとんどない。間もなく32歳になるコーリー・ジョセフは、スパーズ、ラプターズ、ペイサーズ、キングス、ピストンズを渡り歩き、NBAキャリア13年目を始めるにあたりベテラン最低保証額でウォリアーズに加わった。

3年目の2013-14シーズンにNBA優勝を勝ち取っているが、この時はトニー・パーカーとパティ・ミルズに続く3番手のポイントガードで、その後は優勝を狙えるチームに所属していなかった。最初のNBA優勝から9年を経て、彼は3番手のポイントガードとして優勝を狙うチャンスを得たことに興奮している。

「僕にとっては信じられないチャンスだ。ポイントガードのポジションでこれまで最高のパフォーマンスを見せてきた2人から多くを学ぶことができる。ステフは3ポイントシュートで、ポールはピック&ロールの使い方で比類なき選手だからね」

「でも彼らから学ぶだけじゃなく、彼らとは違うディフェンスのインテンシティでチームに貢献したい。スタッツには出ないけど、勝利に必要な小さなことはたくさんあって、そのすべてをやるつもりだ。もともと僕はオフボールでのプレーを意識してきたし、ピストンズでの2年半は特にディフェンスに注力し、キャッチ&シュートの確率を上げてきた」

ジョセフはビッグネームではないが、ウォリアーズが3番手のポイントガードに求めるすべての資質を備えている。前から執拗なディフェンスを仕掛け、この2シーズンで3ポイントシュート成功率が40%を超え、ベテランだが成長への意欲を持ち、天性のリーダーシップがあってチーム第一で行動できる。そしてウォリアーズでプレーするためにベテラン最低保証額を受け入れる。

ジョセフは言う。「自分の役割について、クラブとはほとんど話さなかった。これまでそうしてきたように、シーズン前から自分の役割やプレータイムを気にすることはないと伝えただけだ。僕はチームの勝利にどう貢献するかだけを考える。どうプレーすればチームとして機能するかはコーチが考えてくれるから、僕は心配していない。僕は自分をベストな状態に保ち、コートに立つ方法を見つけ出すだけさ」

そしてもう一つ、ジョセフが楽しみにしているのは、同じトロント出身のアンドリュー・ウィギンズとカナダ代表だけでなくNBAでもチームメートになることだ。「父親同士が知り合いだったから、小さな頃から一緒にバスケをやっていた仲なんだ」とジョセフは言う。

カリーがウォリアーズにとって一番の存在であることは間違いないが、クリス・ポールと組み合わせての起用法がどうなるかは注目されるところ。ここにジョセフが良い形で加われば、バックコートの機能性はさらに高まる。カリーとポールの負担を軽減するという意味でも、ジョセフの出番はあるはずだ。注目されずに加入したジョセフは、意外な形でウォリアーズのキーマンとなるかもしれない。