まりか

「ただの高校生だった私が表舞台に立つようになり、自分の意識も高まりました」

Bリーグに所属するほとんどのクラブは、会場や試合を盛り上げる専属のチアリーディングチームを保持している。

『香川“だけど”を香川“だから”に!』をクラブビジョンに掲げる香川ファイブアローズはクラブの垣根を超えて香川県を盛り上げるべく、株式会社ティーアンドエスと手を組み『FIVE ARROWS DANCE PROJECT』を2021年に発足。そして、テックダンスフュージョン集団『CONDENSE』や、テクノロジーをベースとした複合的なアプローチで社会実装を試みるテクノロジカル・クリエイティブファームの『THINK AND SENSE』を抱え、地域活性を得意とする株式会社ティーアンドエスの総合プロデュースの下、香川県在住者だけで構成されたパフォーマーチーム『United Archers』が結成された。

一期生の中で唯一人、学生であるまりかはダンス教室に通う普通の女子高生だった。スタジオの先生からの紹介で『United Archers』のオーディションに応募すると、見事に合格。そこから彼女の生活は一気に変化した。学校に通い、ダンス部で汗を流せば、ダンス教室でもレッスンに励み、『United Archers』の活動に精を出す。「正直、学業と活動の両立は難しく、楽なスケジュールではありません」とまりかは言うが「本当にダンスだけは何時間、何年やっても飽きません。ずっと楽しみながらできています」と、前向きだ。

まりか

それは、学校や地元の友達、家族の応援があるからこそ。「家族はスタジオやイベント会場まで送り迎えをしてくれますし、たくさんの友達がアーチャーズが出演するイベントに応援に来てくれています。不自由なく活動できているし、友達や先生から褒められることも多くなってきました」

高校3年生にとってこの時期は進路を決める大事な期間。大変だが充実した生活を送るまりかも、自身の将来を見つめ直した。ダンスをきっかけにBリーグと関わり、そこからパフォーマーとして活動。活動の幅も広がり、その劇的な変化を経て、地元の香川のために頑張ることを決めた。

「ただの高校生だった私が表舞台に立つようになり、自分の意識も高まりました。『応援しています!』と声をかけてくださる方もいて、やりがいを感じています。自分の好きなダンスを生かして、見てくださる方へエネルギーや笑顔を届けられることが楽しいです」

まりか

「卒業後は香川に残って『United Archers』の活動を今まで以上に頑張っていくことを決心しました。チームとしても個人としても、もっと活動の幅が広がるように努力していきます。まずはもっと『United Archers』の名前を広めて、香川と言えば『United Archers』という存在になりたいです」

香川県内の小学校へ出向き、生徒たち向けの生活習慣指導をするスクールキャラバンを実施し、ダンスのワークショップも開催。そして、地域のイベントやメディアへの出演など、『United Archers』は香川の活性化に尽力している。

こうした動きは、将来構想を打ち出したBリーグが目指す『地域創生』とリンクしている。株式会社ティーアンドエスと『United Archers』、そしてBリーグとの出会いをきっかけに人生が変わったまりかの今後の活躍に期待したい。