今年のルーキー屈指のシューターは10代にして資産管理を真剣に考えている
グレイディ・ディックは昨シーズン、カンザス大で1年生ながらエースとして36試合に出場し、平均14.1得点、5.1リバウンドをマーク。3ポイントシュート成功率40.3%を記録した203cmの彼は、今年のドラフト屈指のピュアシューターとしてラプターズに1巡全体13位で指名された。
サマーリーグでも4試合出場で平均16.0得点、6.0リバンドと及第点のスタッツを残したディックはまだ19歳と若い。今回のドラフト指名で保証されている4年総額2,140万ドル(約30億円)のルーキー契約を結んだばかりで、普通ならこの大金に舞い上がってもおかしくないところだ。しかし、彼は将来に向けての財テクを真剣に考えている。
ディックは2013年からラプターズのグローバルアンバサダーを務める人気ラッパーのドレイクに会えることを楽しみにしているが、その理由はアーティストとしての彼が好きというだけでなく、ドレイクがビジネスパーソンとして億万長者になっていることが大きいようだ。スポーツビジネスメディア『Front Office Sports』の取材に対し、ドレイクからSNS経由でメッセージを受け取ったと明かしたディックはこう続けた。「今、彼はツアー中で、戻ってきたら彼と直に会って初めて話すことができるかもしれない。彼と会って、彼の考えを聞くことができたらワクワクする。彼は財政的な面に関して精通しているからね」。
また、ディックはラスベガスで開催されたルーキー研修において、イングランドのサッカークラブであるリーズ・ユナイテッドの株式を購入したラリー・ナンスJr.の話が印象に残っていると明かす。「ラリー・ナンスはお金の賢い使い方から、多くの人々が考えていない税金などお金をとられる事柄についていろいろと話してくれた。僕は倹約家なので、彼がどのようにお金を管理しているのか聞けたのはとても助かった」。
キャリアを通して数十億円におよぶ大金を稼いでも、最終的に自己破産をしてしまうプロアスリートはNBAに限らずアメリカにおいて珍しくない。その中で10代にして資産管理について真剣に考えているディックはかなり成熟しており、この人柄は彼がNBA選手として成功を収めるための大きなプラス材料になるはずだ。