サンロッカーズ渋谷のベンドラメ礼生が、盟友の小島元基、岡本飛竜とともに初の写真展『Oops! -撮っちゃった-』を開いた。今オフは写真展だけでなくファンや子どもたちに向けた様々なイベントを開催。精力的に活動を行っているベンドラメにこのような活動を行う理由と、中地区4位(28勝32敗)という成績に終わったシーズンの振り返りを聞いた。
写真展は2日間で500人超が来場し大盛況で閉幕
──写真展を開いた経緯を教えてください。
元々、写真は撮るのも撮られるのも好きで、小島選手と「枚数も溜まってきたし、個展とかやったら面白いんじゃない」みたいなノリで開催しました。当初は、バスケット選手の写真の展覧会になんてそんなに人は来ないだろうと思って、グッズとかめちゃくちゃ弱気な個数を設定していたんですけど、いろんな人が協力してくれて、相当しっかりしてきたものになってきてて、逆に僕たちのほうが緊張するっていう(笑)。いざ始まってみたら途切れることなくお客さんが来てくださり、2日間で500人超でした。
──オフシーズンは東京や九州を中心にたくさんのファン交流イベントを実施しています。
ファンの人とバスケットを一緒にやる会をやって、食事会もやりました。僕が高校時代を過ごした宮崎のゆかりのある場所をファンの方と一緒に回る「聖地巡礼ツアー」もやりましたね。
——7月8、9日には地元の福岡県でこどもたちを対象としたカップ戦とクリニックを主催しました。
自分が子どもの頃に経験できなかったことを今提供できる立場になって、こういうのがあったら絶対良い刺激になると思って企画しました。地元からプロ選手をもっと出したいという思いもあるし、何より面白そうだからやってみようと。イベントのロゴや内容を考えるのも楽しかったですね。
——カップ戦には特別なルールを設けたそうですね。
はい。今大会はヘッドコーチが怒ったらダメです。少しでも怒ってるような態度や素振り、言動を見たら僕がすぐテクニカルファウルを取るっていう特別ルールにしました。大会ロゴのとおり「Trust your process」。自分がやってきた過程を信じる。子どもは怒られることによって一気に自信をなくしちゃうので、自分のやってきたことを信じていいんだよと伝えたくて。コーチにとっても、子どもたちの可能性を伸ばすような声かけをすることで、第三者的な、一歩下がった目線でチームを見る良い機会になると思ったので、このようなルールを設けました。
——なぜこのようなイベントを企画されるんですか?
プロ選手としての価値じゃないですけど、ただ僕がそこにいるだけで喜んでくれる人がいるっていうのは特別なことだと思っています。そういったことへの感謝を伝えたいということもありますし、何より僕自身が楽しいからというのもありますね。僕は個人のファンクラブを持っているんですが、ここは僕しか得しないあったかい空間というか、みんなが僕のことを応援してくれるという前提の中で、シーズン中の思いとかをボソっと言える。応援してくださる方と繋がれる場所があることで、シーズン中の心の持ちようが変わるように感じています。
だからこそ今回の写真展も次に繋げたいなっていう思いは強いです。ありがたいことに大盛況で収益も出たので、そのお金を使って子どもたちとアート関連のイベントができたらめちゃくちゃいいなって。一緒に絵を描くのか分からないですけど、僕はデザインとか絵を描くことが好きなので、せっかくならアートに絡んだことをやりたいなって考えてます。
指のケガをおして出場もCS進出はならず「すごくもったいないシーズンだった」
──昨シーズンはどのようなシーズンでしたか?
大変なシーズンだったと思います。途中でヘッドコーチが変わったことで、少なからず選手に動揺があった中で大崩れせずに戦えたのは良かったですけど、それを差し引いてもすごくもったいないシーズンだったなと。
——大崩れせずに戦い切れた要因は何だったと考えていますか?
(伊佐勉前ヘッドコーチ体制がスタートした)4年前から一緒にやってきた選手が多かったので、チームとしての地盤というか基本となるところができていたのが大きかったと思います。
——個人的なパフォーマンスについてはどのように振り返られますか?
去年はライアン・ケリーがいない時期に僕が攻撃の主軸としてやっていて、今年、ライアンが戻ってきて攻撃の選択肢が増えてアシストが増えました。その点では手応えを感じたんですけど、実はシーズン終盤に利き手の指をケガしてアウトサイドのシュートが打てなくて、ボールをもらったらリングにアタックというプレーが多くなってアシストが増えたというところもあります。攻撃の幅が狭まったという点では残念でしたね。
──そのケガは公表されていませんでしたよね。
プレーはできていたし、 公表したら完全に空けて守られると思ったのでしなかったです。ありがたいことに、僕がボールを持ったらディフェンスがちゃんとついてくれていたので、シュートフェイクで引き出してドライブができました。
──対戦相手から「ケガしてる?」などと聞かれたりはしませんでしたか?
しました。「シーズン平均11点を取る礼生がここ8試合ぐらい平均4点とか2点とか、どうした?」みたいな。そういう選手には「指が痛くてシュートが打てないんよ」って言ってましたね。
──なぜ欠場するという選択を選ばなかったんですか?
ケガをしていてもチームに貢献できると思ったからです。無理して試合に出て足を引っ張るようだったら絶対に出ないです。ディフェンスやアシストでチームに貢献できるポイントが自分の中にあったから、休むという選択肢はありませんでした。もちろん浜中謙ヘッドコーチには「ケガのせいでチームがうまくいっていないと感じたらベンチ外にしていいから」と言っていました。
──ヘッドコーチの交替やご自身のケガなど大変なシーズンでしたが、キャプテンとしてはどんなことを意識していましたか?
僕が初めてキャプテンになった2019年からずっと言っていることは、キャプテンに言われたからどうこうするのでなく、一人ひとりがリーダーとしてチームを引っ張ってほしいということです。なので一人ひとりが当事者意識を持って、僕が特別何かを意識して引っ張るということもなく、全員がちゃんと次の試合に向けて気持ちを切り替えられていたと思います。
とはいえ、終盤は負けられない試合がずっと続きましたし、接戦をモノにする時に使うエネルギーって相当なものなので勝った時は「すごくエネルギーを使うけど、これを毎試合やらないとシーズンが終わっちゃうから」という声かけをしていてすごくしんどかったです。最終的に結果もついてこなかったし、悔しかったですね。
新しいチームで挑む来シーズン「チームの軸となる部分をちゃんと作っていきたい」
──来シーズンの課題と目標を聞かせてください。
去年までいた選手が7人抜けてヘッドコーチも変わって、まったく新しいチームになるので、来シーズンはチームの軸となる部分をちゃんと作っていかないといけないと思います。選手・スタッフ間のオフコートの交流も含めてチームビルディングを大事にしたいですね。
──東海大時代のチームメートの田中大貴選手も加入しますね。
うれしいです。いつかは一緒のチームでやりたいと思っていたので、今回それが実現してワクワクします。
——ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチにはどんな印象を持っていますか?
厳しいけど、バスケットに対する情熱がすごくある方だなと。彼の厳しさは多分すごく筋の通ったモノで、ただ怒られるだけじゃなくその先の道筋も示してくれる人だと思うので、まだまだ成長できるチャンスが回ってきたなと思っています。
——来シーズンはどうかケガなくがんばってください。
500試合連続出場を目指しているので、今300ちょいで……こういうことを言うとケガするから、やめておきます(笑)。
——最後にファンの方へメッセージをお願いいたします。
昨シーズンはファンの方にとってもどかしいシーズンになったと思いますが、それでも応援してくれてありがとうございました。最近はみなさんの声援のおかげで、アウェーでもサンロッカーズを感じる瞬間がたくさんあります。今シーズンはよりその強さを肌で感じられることに期待していますし、僕たちはそれを引き出せるパフォーマンスをコートの上で表現します。これからもどうかいろんなことに協力していただけるとうれしいです。
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