マーケル・フルツ

マーケル・フルツとギャリー・ハリスは残留、ボル・ボルは解雇に

マジックのGMは68歳のジョン・ハモンドから48歳のアンソニー・パーカーへと世代交代することになった。

ハモンドはNBAで32年のキャリアを持ち、2017年にマジックに加わる前は2000年代の強豪ピストンズを作り、バックスではヤニス・アデトクンボをドラフト指名し、クリス・ミドルトンをトレードで獲得して、優勝チームのベースを築き上げた。NBAの豊富な知識とチーム作りの経験はある彼は、今後は一歩引いた立場に回り、エネルギッシュに働く必要のあるGMのポジションをパーカーに譲った。

パーカーは1997年のドラフトでネッツから1巡目21位指名を受けて、マジックを含む5チームで9シーズンプレーして、ヨーロッパで6年プレーした後に現役を引退し、2012年にスカウトとしてマジックで働き始めた。2017年にマジック傘下のGリーグチーム、レイクランド・マジックのGMとなり、2021年のGリーグ優勝を置き土産としてハモンドの下でマジックのアシスタントGMに。この時からハモンドは自分の後継者としてパーカーに仕事を移管してきて、今回正式なGM交代へと至った。

ジェフ・ウェルトマン球団社長はハモンドの長年の貢献をねぎらい、「今後もマジックにとって偉大な友人であり、指導者だ」とした上で、「アンソニーの昇進により、これから何が起きるかを楽しみにしている」とコメント。パーカーについては「現役プレーヤーからスカウト、GMと立場を変えて成長していくのを見てきた。選手の時から常にチームを第一に考えられる人間で、リーダーシップと経験に大いに期待している」と語る。

マジックはハモンドがGMに就任した2年目から、2シーズン連続でプレーオフに進出したが、2020-21シーズンのトレードデッドラインにアーロン・ゴードンとニコラ・ブーチェビッチ、エバン・フォーニエを放出して再建へ舵を切った。昨シーズンも34勝48敗と大きく負け越したが、前年のNBAドラフトで全体1位指名したパオロ・バンケロがルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、若いチームの核になろうとしている。

今オフはマーケル・フルツとギャリー・ハリスのチームオプションを行使して残留させ、一方でボル・ボルは解雇とした。ドラフトでは1巡目6位で大型ガードのアンソニー・ブラックを、11位で3&Dのジェット・ハワードと2人の即戦力を獲得。またフリーエージェントではベテランのジョー・イングルスと2年契約で合意している。

今のマジックには大物フリーエージェントを呼び入れるだけの競争力はまだないが、この1年か2年で大幅に伸びるポテンシャルを秘めている。フルツにフランツ・バグナー、ジェイレン・サッグス、ウェンデル・カーターJr.と良い選手が揃い、そろそろ勝ちにいっても良い頃合いだ。それでも今後4年間で1巡目指名権を5つ、2巡目指名権を9つ保有しており、どのように動くことも可能なため、新たにGMとなったパーカーの手腕が非常に重要となる。