ブラッドリー・ビール

「自分を必要としてくれるチームに来れたことにワクワクしている」

ブラッドリー・ビールはNBAキャリア12年目にして初めて、ウィザーズ以外のチームでプレーする。『チームの顔』としての重荷から解放され、優勝だけを目指してプレーできる環境にやって来た彼は、晴々とした表情で「すごく興奮している。昨日が誕生日だったんだけど、なんだか若返った気分だ」と語る。

会見の冒頭で彼は古巣について触れ、「11年間ワシントンDCにいた男として、ほろ苦い気分もある」と言い、ウィザーズへの感謝を語った。「すべてはウィザーズの決断で、そのすべてに敬意を持っている。細かい動きについて僕から語るつもりはないけど、難しい決断だったのは間違いない。それでもウィザーズは僕が望むところに行かせてくれた。今の僕は、自分を必要としてくれるチームに来れたことにワクワクしているよ」

彼にとってこれからの経験はすべてが初めてのことになる。「新しい街、新しい人々、新しいチーム。僕は新たな環境に飛び込んで、すべてを受け入れるつもりでいる。何が起こるかは分からない。待ち受けているのは困難かもしれないけど、それもまた新しい僕を作ってくれるはずだ。僕は新しい環境が好きだし、フェニックスの街は妻も子供も気に入っている。すべてをコントロールしようとはせず、自然の成り行きに任せて、素晴らしいことが起きるのを待つつもりだ」

今回の移籍により、長らく求めていた『優勝を狙えるチーム』という環境を手に入れた。「本当にそれは大きいよ」とビールは言う。

「自分の置かれた環境を当たり前のものだと思ってしまいがちだけど、NBAで優勝するのは本当に難しい。ただ、多くの人が誤解しているけど、どれだけタレントを集めても上手く活用する方が大事で、しっかり練習して、やり切らなきゃいけない。とはいえ、毎試合で意味を持ってプレーできるのは楽しみで仕方ない。それが僕がここに来た最大の理由だからね」

「僕の目標は優勝を目指して争うこと。プレーオフは何でも起こり得るし、どんなチームにも負けてしまう可能性がある。大事なのはチームで一致団結すること。僕はセカンドラウンドを突破したことがない。その新しい挑戦では経験のある選手たちに頼りたいけど、プレーオフで戦い、ビッグゲームを戦ってきた僕自身の経験も生かしたい。すべてを受け入れるし、すべてを楽しみにしている」

ビールにはケガが多い印象があり、今シーズンの出場も50試合に留まったが、彼によれば「大きな問題があったわけじゃない」とのこと。

「ケガが再発したことで欠場期間が伸びたけど、大きなケガじゃないし、手術が必要だったわけでもない。大事なのは夏のオフ期間にきっちりトレーニングすることで、過去何年かはずっとリハビリだったし、特に去年は手首を手術した後で10月まで練習できなかった。今回はちゃんと計画を立ててコンディション作りができるから大丈夫だ」

デビン・ブッカーとケビン・デュラント、そして指揮官がフランク・ボーゲルに代わったことで再びチームの構想に入ったディアンドレ・エイトン。ここにビールが加わった豪華布陣でサンズは優勝を目指す。そしてビールは、ビッグネームと一緒にプレーすることに「勇気付けられる」と語った。

「前回、そこにはラス(ラッセル・ウェストブルック)がいた。彼の努力、勝利への執念は僕をより高いレベルへと引き上げてくれた。ここでも同じことが起きるだろう。優勝経験のあるヘッドコーチ、ファイナルを戦った経験のあるブック(ブッカー)と一緒に戦うことで、僕が今まで見てきたのとは違う精神力が見られるはずだ。それが僕をまた上へと引き上げてくれると思う。そのすべてが楽しみだよ」