クリスタプス・ポルジンギス

クリッパーズへはブログドン、ウィザーズにはマーカス・モリスが移籍

セルティックスはマルコム・ブログドンとダニーロ・ガリナーリを放出し、クリスタプス・ポルジンギスを獲得する3チーム間トレードでウィザーズ、クリッパーズと概ね合意し、残る細部の詰めに入ったと『The Athletic』が報じている。クリッパーズはブログドンを、ウィザーズはマーカス・モリス、アミア・コフィー、ガリナーリ、今年のNBAドラフトでの1巡目30位指名権を獲得する。

今シーズンのセルティックスはカンファレンスファイナルに進出し、ヒート相手に粘りの戦いでGAME7まで持ち込んだものの、そこで力尽きた。優勝を狙える力は十分にあるが、その可能性を高めるために必要なのはフロントコートの選手層強化。アル・ホーフォードは健在だがすでに37歳で、ロバート・ウィリアムズ三世はケガが多い。4年目のグラント・ウィリアムズは急成長を遂げたが、制限付きフリーエージェントになる。この状況で、シックスマン賞を受賞したブログドンを手放し、先発を任せられるビッグマンの獲得に動いた。

ポルジンギスは高さとスキルを兼ね備えた『ユニコーン』と呼ばれる存在ながらケガが多く、2018-19シーズンは膝の十字靭帯断裂で全休となった。ニックスからマーベリックスに移籍して復帰を果たすも、なかなか本領発揮には至らなかった。それでも昨シーズンは65試合に出場し、キャリアハイの23.2得点を記録。ピック&ロールに対するディフェンスができ、リムプロテクト能力も高く、ローポストでの得点だけでなく3ポイントシュートも38.5%と高確率で決めるオールラウンドなビッグマンとして、ウィザーズで充実のシーズンを送った。

ポルジンギスであれば先発を任せて他の選手の負担を減らすとともに、ジェイソン・テイタムとジェイレン・ブラウンのためにスペースを広げ、キックアウトのパスを受けての3ポイントシュートも期待できる。契約については、プレーヤーオプションとなっている3600万ドル(約48億円)の契約最終年を行使した上でセルティックスで1年プレーすると『ESPN』は予想している。セルティックスとしては来シーズンの優勝を狙いつつ、ポルジンギスについてはケガのリスクを見極めた上で、新たな契約を結ぶかどうかを判断できるのはメリットだ。

ブログドンが抜ける穴は決して小さくないが、マーカス・スマートとデリック・ホワイトがいて、来シーズンにはペイトン・プリチャードにより多くのチャンスが与えられることになりそうだ。一方でガリナーリは昨夏にセルティックス加入が決まるも、代表活動中に左膝の前十字靭帯断裂の大ケガを負い、ここでトレードとなれば1試合もプレーせずにセルティックスを去ることになる。

ウィザーズは再建に舵を切り、すでにブラッドリー・ビールの放出が決定しており、ポルジンギスもこれに続く。カイル・クーズマも契約最終年を破棄しており、ウィザーズと再契約を結ぶ可能性は低いと見られる。これで『ビッグ3』は完全に解体されるが、新たなチーム作りに動きやすい下地は整う。

そしてクリッパーズは、ブログドンの残り2年4500万ドル(約60億円)という大きな契約を抱えることになる。ラッセル・ウェストブルックとの再契約、獲得が噂されるクリス・ポールへの対応に大きな変化が出てくるだろう。65試合に先発したモリスの穴を埋める必要もある。ポール・ジョージのトレードが浮上してもいて、クリッパーズの今夏は慌ただしいものになりそうだ。