クリス・ポール

「誰も自分に借りがあると思っていないことに気づいた」

先日、ウィザーズへのトレードが明らかになったクリス・ポールが、トレードを告げられた時の心境を明かしている。

現地19日の朝、ポールはアメリカを代表する朝の情報番組『Good Morning America』に出演。これは自身の著書『Sixty-One: Life Lessons from Papa, On and Off the Court.』のプロモーション目的で、トレード成立前に決まっていた。そしてポールがトレードを知ったのは、番組出演のために飛行機で移動している最中だったと番組で語った。ポールはこう続ける。「僕も驚いている。このリーグでは何だって起こり得るんだ。次に自分のするべきことを理解するだけだよ」

ポールが2020−21シーズンに加入する前、サンズは10年連続でポストシーズン進出を逃していた。それがポールの加入初年度にファイナル出場を果たすなど、強豪の地位を確立した。ここ数年に渡るサンズの躍進はポールの貢献なしではあり得ないものだが、今シーズン途中にマット・イシビアが新オーナーとなったサンズ首脳陣の対応は極めてドライなものとなった。だからこそポールは、ニューヨークタイムスの取材に対して「これもビジネスの一部だけどタフだね」と語った。

「誰も自分に借りがあると思っていないことに気づいた。どんなに一緒にいても、何を成し遂げていたとしてもだ。そしてマット(イシビア)、アイザイア・トーマスは違う方向に行きたいだけだと感じてる」

ここでポールが語ったトーマスとは、1980年代にピストンズで活躍した殿堂入りの名ポイントガードのこと。現役引退後にはペイサーズ、ニックス、フロリダインターナショナル大でヘッドコーチを務めたこともある。イシビアはトーマスに何らかの役割を与えるつもりはないとかつて語っており、今回のトレードの意思決定にどれだけ関与したかは不透明だが、ポールは大きな影響を及ぼしたと考えている模様だ。

ポールがこのままウィザーズに留まるのか、それとも再建に入ったチームとバイアウトによって袂を分かち、優勝を狙えるチームへと移籍するかはまだ分からない。ポールの去就はまだまだリーグ内外を賑わせることになりそうだ。