クリス・ポール

チームの功労者ではあるがケガの増えた司令塔、サンズの決断は?

サンズはクリス・ポールとの契約を打ち切ることを決め、本人にも通達した──。これを『Bleacher Report』がスクープしてから1週間、クリス・ポールが「僕はサンズに残るつもりだ、絶対にね」と口を開いた。

彼が敬愛する祖父について書かれた本が発売され、それに関して地元メディアの『Arizona Republic』の取材に応じた彼は、自分の意思を明確に語った。「家族ともエージェントとも、何が起こり得るかについて話し合った。僕は残るつもりだ」

『Bleacher Report』の報道の後、『Arizona Republic』を始めとする地元メディアは、この報道が間違いだと指摘してきた。ただ、サンズは何らかのリアクションを返したわけではなく、誤報とも言い切れない。両者は2021年に4年1億2000万ドル(約160億円)の大型契約を結んでいるが、3年目となる来シーズン以降の契約は、今月28日までに1580万ドル(約21億円)の違約金を払うことで解除できるチームオプションがある。サンズはこれを行使すれば、38歳でケガが多くなったポールへの高額年俸を負担しなくて済む。

それでもポールの残留希望を受け入れるのであれば、1580万ドルの違約金を支払った上で、ベテラン最低保証額の契約を結び直すことができる。この場合、来シーズンのサラリーキャップには1580万ドルも上乗せされるが、ポールは残せる。サンズがポールを残さず、サラリーキャップの負担を最小限にしたい場合は、1580万ドルを5年分割にしてサラリーキャップに乗せることも可能だ。ただ、この場合はポールとは再契約できない。

クリス・ポールはいまだリーグ屈指のポイントガードであり、試合の流れを読み、チームメートの持ち味を引き出し、相手チームの強みを消すプレーメークは他の追随を許さない。それでもケガが増えており、サンズに来てからの3シーズンすべてでプレーオフになるとケガをしている。サンズとしてはチーム復活の功労者でもあるポールを残したいだろうが、そのための妥当なサラリーをどこに設定するかで、ポールを残すかどうかが決まる。

ポールは自分の意思を告げた。彼はロサンゼルスでワークアウトとトレーニング、そして家族との時間を過ごしながら、サンズの決断を待っている。