馬瓜ステファニー

「世界トップの選手たちを間近で見て勉強できることはなかなかない」

バスケットボール女子日本代表はアジアカップ6連覇に向け強化を進めている。 そして先日、明日からの3日間に高崎アリーナで開催される「三井不動産カップ 2023(高崎大会)」のエントリーメンバーが発表された。日本屈指のオールラウンダーである馬瓜ステファニー(日本バスケットボール協会)は当然のように、そのメンバーに名を連ねた。

馬瓜はトヨタ自動車アンテロープスの一員としてWリーグファイナルを戦った後、WNBAニューヨーク・リバティのトレーニングキャンプに参加。約3週間チームに帯同し、帰国後数日で二次合宿に合流した。残念ながらリバティの開幕ロスターには残れなかったが、約3週間の滞在期間は馬瓜にとって実り多き時間になったようだ。「日本とは異なるポジションでプレーしたり、海外選手のパワーを体感したり、本当に良いことを経験させてもらったなと思います。世界トップの選手たちを間近で見て、勉強できることはなかなかないと思うので、本当に感謝しかないです」

国内ではパワーフォワードとしてプレーする馬瓜は、リバティではアウトサイドのプレーヤーとしてコートに立った。「メインではないですがボールを運ぶこともありましたし、日本ではあまりやらなかったピック&ロール(のハンドラー)もやりました」と話し、「普段ガードやフォワードでプレーしている選手たちの気持ちがよく分かったので、代表ではガード陣やフォワード陣の助けになれればいいなと思うし、今のポジションでできる限りのことをしていきたいです」と続けた。

馬瓜ステファニー

「相手にとって嫌な選手でありたいということは普段から意識しています

また、「挑戦の中で一番良い経験になったものは?」という報道陣からの問いには、世界屈指のスーパースターたちの普段の生活に触れたことと答えた。

「リバティーはチーム自体がモンスター級というか、『WNBAと言えばこの人』っていう選手がたくさんいたので、まずはそういった人たちの普段の生活や練習、試合に向けた準備を見ていました。日本人は周りに合わせる傾向が強くて、みんながシュートを打ち始めたらやるみたいなところがあるけど、リバティの選手たちを見ていて、練習場に早く来ることばかりが正しいわけではないって思いました。あと、リバティではコンディション管理が徹底されていて、疲労度が一定を超えたら自主練をストップさせられるんですけど、その中で一人ひとりが自分の課題に向き合ってワークアウトなどに取り組んでいたのも印象的でした。自分自身にしっかりフォーカスして準備しているんだなと思いました」

日本代表では、再びインサイドを主戦場にプレーすることになる。馬瓜は「自分の身長とフィジカルを考えたら、海外の選手とやるなら2、3番ポジションが妥当だと思う」と言いつつも、「日本代表として、自分がどのポジションでプレーするのがベストかはコーチたちが考えること。ポジションや役割は違っても自分のスタイルは変わらないと思うので、しっかりと自分らしさを持ってやりたい」と語り、果たしたい役割について以下のように説明する。

「自分は人と違ったリズム感があると思うので、相手にとって嫌な選手でありたいということは普段から意識しています。相手が取りたい点をどれだけ止められるか、相手が取られるはずではなかった得点をどれだけ取れるか。そういうところの役割に自分が絡んでいけたらいいなと思います。どの大会も優勝を目指して頑張りたいです」

「(リバティに)逃した魚は大きいぞと思わせたいですね」。そう不敵に言った馬瓜は、アジアカップ、オリンピック最終予選、そしてさらに控えるパリオリンピックに向けて、大きな闘志を燃やしている。