アーロン・ゴードン

「正しい方法でプレーしてさえいれば勝てると信じている」

「だから僕らは彼を獲得したんだ。強くてタフで、みんなを一つにまとめ、エゴがなくて堅実にプレーする。プレーオフだけじゃなく、加入してからずっと最高の働きをしている」とジャマール・マレーは言う。

「大きな目標のために自分を犠牲にできる、素晴らしいチームメートだ。どの試合でも相手のベストプレーヤーをマークするけど、簡単そうにこなすよね。彼のチームへの貢献は誰もが理解しているよ」とニコラ・ヨキッチは言う。

アーロン・ゴードンはNBAファイナル第4戦で決定的な働きを見せた。27得点7リバウンド6アシスト1スティール、コートに立っている間の得失点差は+29。プレーオフでの自己最多得点をマジック時代の2019年に記録した25得点から塗り替えた。

この試合、第1クォーター終盤にヨキッチが右足首を捻挫し、一度ロッカールームに下がっている。幸いにも軽傷で済み、すぐにコートに戻って来ることができたが、第2クォーター開始から数分間はプレーしなかった。彼の不在は攻守のレベル低下をもたらし、第1クォーターを逆転して終えたヒートにとっては一気に勢いに乗るチャンスだった。しかし、ここでゴードンが大活躍を見せる。

第1クォーターの彼はフリースローによる1得点に終わっていたが、オフェンスの責任を引き受けてアタックモード全開となり、チャンスを呼び込んでは迷わずシュートを放って第2クォーターだけで15得点を挙げた。そのおかげでヨキッチは無理せず試合の流れに戻ることができた。第4クォーターにヨキッチがファウルトラブルになった時も同じことが起きた。結果、ヨキッチが37分しかプレーしなかったにもかかわらず、ナゲッツには攻守ともに盤石の安定感があった。

試合後のゴードンは落ち着いた表情のままこう話す。「どの試合でも誰かがステップアップする。そして、このチームはリズムに乗っている選手を見いだすのが上手い。その機会が来れば、チームメートのために、兄弟のためにやる。ナゲッツはそういうチームなんだ」

そして彼は、ナゲッツでプレーする今が「とても幸せだ」と語る。「これだけ全員がまとまって、エゴを出さずにお互いのためにプレーするチームは本当に珍しいと思う。みんなバスケに熱中していて、すべての力を注ぐ。正しい方法でプレーしてさえいれば勝てると信じている」

「そんなチームで僕は自分らしくプレーしていられる。チームが僕に求める役割はその時々で違うけど、得点であったりリバウンドであったり相手のエースを守ったり、それをこなすのが楽しいんだ。次の試合ではまた違った仕事を求められるかもしれないけど、何をやるにしてもここでの僕は自分らしくいられる。チームに恵まれること、自分を信頼してくれるコーチングスタッフに恵まれることは、本当に素晴らしいよ」