スティーブ・カーやスポールストラの新契約は1年平均で約27億円になる可能性も
先日、ピストンズは新ヘッドコーチに前サンズ指揮官のモンティ・ウィリアムズを招聘した。今シーズン終了後、サンズから解任されるも2022年の最優秀コーチ賞に選出されるなど実績十分のウィリアムズが、すぐに新たなヘッドコーチ職を見つけられたのは驚きではない。ただ、その高額な契約内容は衝撃を与えた。
ウィリアムズの契約は6年総額7850万ドル(約109億3,000万円)を基本とし、インセンティブも含めると最大で8年総額1億ドルに達すると報じられている。少なくとも1年平均1300万ドル(約18億1,000万円)以上となり、スパーズのグレッグ・ポポビッチの1150万ドル(約16億円)を抜き、リーグ最高給の指揮官になると見られている。
ウィリアムズの手腕はリーグ内外で高く評価されているが、一方で彼は9シーズンのヘッドコーチ歴でレギュラーシーズン通算367勝336敗、ファイナル出場は1度のみでチャンピオンの経験はない。それだけに今回のピストンズとウィリアムズの大型契約は、他のトップコーチたちの年俸にも大きな影響を及ぼす可能性がある。
特にウォリアーズのスティーブ・カー、ヒートのエリック・スポールストラの大物2人は揃って契約が残り1年となっている。カーはここまで通算4度のNBAチャンピオン、スポールストラは今シーズンを含め2度のNBAチャンピオンを含む6度のファイナル出場と、2人とも実績はウィリアムズを大きく上回っている。
そして現在の年俸はカーが900万ドル(約12億5,000万円)付近、スポールストラが800万ドル(約11億1,500万円)付近と見られている。ここまでの実績を考慮すれば、2人がウィリアムズの年俸を上回る契約を求めるのは当然だ。こういった背景から『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者は、2人の年俸が1年平均2000万ドル(約27億8,500万円)近くになる可能性もあると主張。さらにスタッフ時代も含めヒート一筋で30年近く在籍しているスポールストラは残留濃厚だが、カーの場合は盟友の球団社長ボブ・マイヤーズがチームを離れたこともあり、去就は不透明と見ている。
カーやスポールストラが、ウォジナロウスキー記者の推測通りの年俸を得られたら、ヘッドコーチの地位はより高まる。これから2人の契約交渉はより大きな注目が集まることになりそうだ。