ここ一番での遂行レベルに差、琉球ゴールデンキングスがSR渋谷との我慢比べを制す

2018/12/23
Bリーグ&国内
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琉球ゴールデンキングス

文・写真=鈴木栄一

手の内を知る相手指揮官に対応され拮抗した展開に

12月22日、琉球ゴールデンキングスが本拠地でサンロッカーズ渋谷との対戦。前半から接戦が続く中、試合残り5分と勝負どころにおける守備の強度で差を見せた琉球が77-71で競り勝った。

SR渋谷の伊佐勉ヘッドコーチ、山内盛久はともに琉球に長く在籍。2人にとって地元凱旋となり、試合前に彼らの名前がコールされると会場が大歓声で迎えるバスケ王国、沖縄らしい愛情のこもったオープニングとなる。

試合序盤、ともに堅い守備を見せロースコアの立ち上がりとなる。第2クォーターに入ると、SR渋谷は得点源のライアン・ケリーが第1クォーターでファウル2つを取られたことで、このクォーターはプレーせずと厳しい状況になる。それでもベンドラメ礼生が積極的なドライブから攻撃の起点になると、広瀬健太が要所で3ポイントシュートを決めるなど奮闘。また、琉球は佐々宜央ヘッドコーチが、「そこに付けこもうとしすぎて、ウチらしくないオフェンスが続いてしまいました」と振り返る、ケリーの不在によりチグハグな面も出てしまい膠着状態が続く。前半は琉球の34-32と互角で終える。

第3クォーター、試合は予想外のところから動く。「僕らが意図しているものとは少し違ってはいました」と佐々ヘッドコーチが語ったが、琉球は開始早々にジョシュ・スコットが今シーズン初めての3ポイントシュートを決める。さらに並里成が連続でアウトサイドシュートを沈め、一気にリードを10点まで広げる。

だが、渋谷もベンドラメ、ケリー、ロバート・サクレのビッグ3が、このクォーターで計21得点と、中心選手がしっかりと仕事を果たすことで反撃。ベンドラメがクォーター終了直前に3ポイントシュートを沈めることで4点差に追い上げる。

琉球ゴールデンキングス

スコットのバスケット・カウントが勝負の分かれ目に

第4クォーターに入っても僅差の展開が続くが、残り約4分40秒に琉球は「今日の試合の分け目となったところ」(佐々)というスコットが、オフェンスリバウンドをもぎ取ってからのバスケット・カウントを決めるビッグプレーが飛び出す。このプレーで流れを引き寄せた琉球は、さらに残り約3分に岸本隆一の3ポイントシュート、残り2分半にスコットのダンクでリードを再び10点に広げる。あとはファウルゲームに対し、フリースローを確実に沈めて逃げ切った。

試合後、琉球の佐々ヘッドコーチは、「ムーさん(伊佐)は、ナリ(並里成)、隆一のことをよく知っています。僕らの手の内を知っている相手と戦っていく中で、タフでしたけどギリギリ勝てて良かったと思います。ウチが嫌がるようなディフェンスの対策をしっかりしてきて、そういう中でオフェンスのリズムは苦しかったです」と総括。

琉球を熟知する伊佐の采配に苦しめられ「ちょっとエキサイティングさが欠けた試合。やりたいオフェンスができなかったです」と言うが、その中でも勝ち切れたのは第4クォーターでのスコットでのバスケット・カウントなど、オフェンスリバウンドを要所で取れたことを挙げる。

一方、SR渋谷の伊佐ヘッドコーチは、この日20度を超える気温となったことに「単純に沖縄が暑すぎてみんなもバテバテでしたので、そこは県知事にどうにかしてもらいたいです(笑)。試合前の会場の反応には、ブーイング起きたらどうしよう、と思っていましたが、うれしいというか恥ずかしいような感じで、ありがたかったです。」とコメント。ただ、「特別な思いは全くなかったです」とアシスタントコーチ、指揮官として10年以上在籍した古巣との対決について淡々と語る。

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「守備の遂行レベルが低かった」

SR渋谷にとっての敗因は終盤における守備の乱れだった。伊佐ヘッドコーチは言う。「ウチがいくつかの守備の遂行レベルが低かった時間帯に琉球さんが決めきったのが今の成績の差かなと思いました。選手たちが、その場の状況判断で良いと思ったんでしょうけど、全く練習していないプランとは違うことをやり、そこでやられてしまいました。焦りや暑さからの疲れもあったと思いますが、それをやるとゲームが壊れてしまうのでしっかり指導したいです」

この課題をSR渋谷が修正できれば、本日の試合はより激戦となることが濃厚だ。琉球がリーグ3番目となる20勝に到達するか、それともSR渋谷が勝率を5割に戻せるか、本日も20度を超えるであろう外の暑さに負けない熱戦を楽しみにしたい。