保岡龍斗

トーマス・ケネディが徹底マークに遭うも、残る3人がステップアップ

3人制バスケ『3×3』のワールドカップ、男子日本代表はグループリーグを2勝2敗で突破し、プレーインでブラジル代表と対戦した。

立ち上がりからブラジルのフィジカルの強さに四苦八苦。グループリーグで驚異的な得点力を発揮したトーマス・ケネディの2点シュートは徹底的に警戒され、常にディフェンスにピタリと貼り付かれて打つことすらままならない。ボールは回せてもリングになかなか近付けず、開始2分で3-6のビハインドを背負う。

それでも開始4分でブラジルはチームファウルが6に。7つ目からは相手チームにフリースロー2本が与えられるため、攻守の強度を落とさざるを得なくなると、日本に流れが傾いた。

ここで日本は厳しいマークを受けるケネディに固執するのではなく、落合知也が相手守備のギャップを突くドライブでイージーシュートに持ち込み、保岡龍斗がスピードでブチ抜いてレイアップを沈め、ブラジル相手にフィジカルで押し負けなくなった佐土原遼が堅守から自らトランジションに繋ぐ好プレーを連続で決めていく。ブラジルの対策の逆を突いた3人の見事な反撃に続いては、警戒が薄れたケネディのレイアップで11-11と追い付いた。

ここでブラジルのチームファウルが7に到達。ケネディのフリースロー2本で14-13と試合をひっくり返すのだが、ブラジルはここから意識を引き締め、力で押すバスケではない試合巧者ぶりを見せ始める。2点シュートは外れるもセカンドチャンスからゴール下での得点に繋ぎ、シンプルなリムアタックと見せかけてパスを繋いで日本のファウルを引き出して、再びリードを作り出した。

ここで保岡がドライブからのフェイダウェイ・ジャンプシュート、ステップバックでズレを作ってのディープツーと連続得点を決めて17-17に追い付くが、ブラジルは慌てなかったし、体格に勝るチームによくある終盤のガス欠も起こさなかった。ディフェンスではノッている保岡へのマークを厳しくし、試合序盤にはとにかく力で押していたオフェンスもパスを増やして日本の対策をかわした。

残り32秒で17-19、日本は2点ビハインドの状況で焦りが出てしまう。体勢の悪いまま2点シュートを狙う無理な攻めしかできずに、17-20で試合終了。決勝トーナメント進出自体が快挙で、このプレーインでも勝つチャンスを作り出したが、惜しくもベスト8進出はかなわなかった。