ナゲッツ

マレーもダブル・ダブルを記録、多彩なナゲッツに軍配

ナゲッツvsヒートのNBAファイナル第1戦。

先手を取ったのはホームのナゲッツ。高さとパワーでミスマッチとなったアーロン・ゴードンが積極的に1on1を仕掛け、第1クォーターだけで12得点を挙げる。黒子役に徹した大黒柱の二コラ・ヨキッチは4得点6アシストを記録してオフェンスを司ると、ジャマール・マレーも8得点を挙げてバランスの良いオフェンスを展開した。一方のヒートはバム・アデバヨがぺリメーターを決め切り8得点を挙げ、ジミー・バトラーも要所で得点したがナゲッツの多彩なオフェンスを止められず20-29とビハインドを背負った。

ヨキッチが下がった時間帯にヒートはゾーンにするもマレー、マイケル・ポーターJr.に3ポイントシュートを射抜かれてしまうが、カイル・ラウリーが巧みなゲームメークでイージーシュートを演出して耐え忍ぶ。それでも、コートに戻ったヨキッチが自らも得点を取りつつ、ダブルチームに来た際にはピンポイントでノーマークのチームメートにパスを送り、前半だけで10得点10アシストのダブル・ダブルを記録してオフェンスを支配。得点ペースを上げたマレーを筆頭に先発4選手が2桁得点を挙げ、ヒートの低調な3ポイントシュート(25.0%)にも助けられ、ナゲッツが59-42と大量リードを奪った。

後半に入り、ヒートは7-0のランで点差を1桁に戻すチャンスを迎えたが、マレーに連続で3点プレーを決められ失速した。堅守を取り戻したナゲッツは再び多彩なオフェンスを披露して主導権を握ると、ベンチからの得点源として期待されるブルース・ブラウンも連続でゴールを沈め2桁に乗せた。こうして攻守で上回ったナゲッツが21点の大量リードで最終クォーターを迎えた。

ゾーンに手こずりゲイブ・ビンセント、ラウリーの連続3ポイントシュートなどで0-11と走られ、点差を10点まで戻されたナゲッツだったが、ヨキッチは慌てなかった。自身が起点となり、ジェフ・グリーンのイージーシュートをお膳立てすると、自らもペイント内でボールを呼び込んでスコアし6-0のランで突き放した。その後も大きなランを許さずに時計を進めたナゲッツは残り2分半にヘイウッド・ハイスミスに3ポイントシュートを決められ1桁差にされるも、ヨキッチのアシストからケンテイビアス・コールドウェル・ポープがイージーなミドルシュートを沈めるなど、最後までチームオフェンスが機能。こうして、セーフティリードを保ち続けたナゲッツが104-93で初戦を制した。

ナゲッツはヨキッチがゲームハイの27得点に加え、10リバウンド14アシストの圧巻のトリプル・ダブルを達成。マレーも26得点10アシストのダブル・ダブルを記録し、チームを牽引した。一方のヒートはアデバヨが26得点を挙げ、ハイスミスが18得点と気を吐いたが、マックス・ストゥルースが10本ずべてのフィールドゴールを外して無得点に終わり、頼みの綱のジミー・バトラーが13得点に終わるなど、ナゲッツの堅守をこじ開けられなかった。