ジミー・バトラー

もともとはヒートを敵視、心境が変わったきっかけはドウェイン・ウェイド

ジミー・バトラーは2011-12シーズンにブルズでNBAキャリアをスタートさせた当初、ヒートを敵視して「ヒートのユニフォームは着たくない」と語ったことがある。それが今やヒートの『顔』となり、NBAファイナルを戦おうとしている。

『ESPN』のインタビューに応じた彼は、過去のその発言について問われると「僕がこのリーグに来た時、ヒートはビッグ3の時代で毎回ブルズに勝っていた。それでブルズにドラフトされた僕は、ヒートに好感を持つわけにはいかなかった」と答えている。

その心境に変化をもたらしたのは、ドウェイン・ウェイドの存在だった。「D・ウェイドは同じ大学の出身だったけど、ヒートにいる彼を好きにはなれなかった」とバトラーは言う。

「それでもブルズで一緒にプレーするようになると、彼は悪いヤツじゃないと思うようになった。巡り巡って、これが僕の着る最後のユニフォームになる」

2011年のNBAドラフトで1巡目30位指名を受けたバトラーはブルズで6シーズンを過ごし、チームの解体とともにトレードされた。ティンバーウルブズとセブンティシクサーズでは彼の勝利への執着心が受け入れられず、チームは結果を残せず彼も期待外れの出来に終わったが、ヒートではチームのカルチャーと彼の強烈なパーソナリティが見事に噛み合っている。ヒートとバトラーの契約は2026年まで残っている。現役最後までヒートでプレーする、というバトラーの思いは本心だろう。

劣勢にも屈することなく、厳しい状況でこそ力を発揮する。勝利への飽くなき執念を見せる彼は『プレーオフ・ジミー』の異名を取るが、キャリア12年でいまだ優勝経験はない。大激戦となったセルティックスとの『GAME7』に勝って東カンファレンスを制した後、その優勝トロフィーにバトラーは触れようとはしなかった。

「欲しいものはそれじゃない」とでも言いたげな表情と態度だ。まだ総仕上げが残っている。第8シードからの逆襲の最終章、NBAファイナルにバトラーはいつも通りの全力で立ち向かう。