名古屋ダイヤモンドドルフィンズ

文・写真=鈴木栄一

篠山もベンチスタート、噛み合わない川崎を前半に圧倒

12月21日、名古屋ダイヤモンドドルフィンズが敵地で川崎ブレイブサンダースと対戦。前半に21点の大量リードを奪いながら、後半に猛烈な追い上げをくらいあと一歩まで詰め寄られるも、土壇場で踏ん張り80-78で激戦を制している。

この試合、川崎は前の試合の退場処分によってニック・ファジーカスが出場停止。さらに篠山竜青がコンディションが万全でないため控えスタートと、いつものメンバーと違う布陣でのスタートとなる。すると、慣れない陣容の川崎に対し、名古屋Dは開始直後にターンオーバー奪取からの速攻で流れをつかむ。川崎もバーノン・マクリンのインサイドアタックで応戦するが、名古屋Dはこのクォーターで計8アシストが示すように、パスをしっかり回し先発5人全員が得点とバランスの良いオフェンスを展開。23-12とリードを奪う。

第2クォーターに入っても名古屋Dの攻勢は変わらず。出だしで前から激しいプレッシャーをかけることで、笹山貴哉が連続スティールからの速攻で連続レイアップを決め15点差に。ここまで川崎はたまらずタイムアウトを取るが、その後も名古屋Dが攻守で圧倒し、残り約4分半には中務敏宏のスリーポイントシュートで37-16と突き放す。最終的には名古屋Dが17点の大量リードで前半を終える。

名古屋ダイヤモンドドルフィンズ

川崎が猛追するも届かず、名古屋Dが耐えきる

しかし、後半に入ると、梶山信吾ヘッドコーチが次のように振り返った名古屋Dの変化もあり川崎が猛追を開始する。「試合前からニック選手、辻選手がいないのは分かっていました。相手どうこう関係なく、油断せずに自分たちのことに集中して入り、それを前半は選手がコートで表現してくれました。しかし、後半に入ってディフェンスのインテンシティが下がってしまいました。そこで川崎さんに付け込まれると、ゾーンオフェンスでも躊躇する場面が出てきて、最後まで分からない展開になってしまいました」

川崎はマクリンがインサイドで大暴れ。これに篠山、藤井祐眞のガード陣も続くことで徐々に点差を詰めるそして第4クォーター残り40秒には藤井のシュートと3点差と、ついに1ポゼッションにまで迫る。さらに2点差を追う残り2秒、ゴール下からのインバウンドパスが、インサイドのマクリンへと通りファウルを受けながらシュートを放つが惜しくも決まらず。

ここでマクリンがフリースロー2本成功すれば同点となるところだったが、1本目を失敗して万事休す。「最後まで勝敗は分かりませんでしたが、選手たちは最後までファイトしてくれました」と梶山ヘッドコーチが語るように、ホームの大歓声を背に勢いを増す川崎の猛攻に防戦となりながらも、気持ちを切らさずに耐え切った名古屋Dが激闘を制した。

名古屋ダイヤモンドドルフィンズ

マクリン35得点も、チームオフェンスは不発

見事な追い上げを披露した川崎だったが、一方で最後マクリンがフリースローを決めきれず。また、残り約1分半からの勝負どころでターンオーバーを2つ献上するなど、自らの拙攻で逆転勝ちのチャンスを逃した側面も否めない。

北卓也ヘッドコーチも、「前半の劣勢からよくカムバックしましたが、最後シュートで終われなかったプレーが2つあるのでそこがもったいない。バーノンのシュートもあそこでバスカンを決められるくらいにならないと勝負どころでは弱い」と総括する。

川崎ではマクリンが、名古屋Dの1対1で守るという戦術もあって35得点と爆発。しかし、得点を挙げたのは彼と藤井、シェーン・エドワーズ、篠山、長谷川技の5人のみ。一方の名古屋は5人が二桁得点を稼ぐなど9人が得点と対象的な状況となった。

本日の第2戦、ホームでの連敗は何としても阻止したい川崎は、ニック・ファジーカスが復帰する。ファジーカスはもちろんのこと、この試合で不発に終わったベンチメンバーの奮起も勝利には大事なポイントだ。

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