チャールズ・バークレー「バカなことを止めるから大金がもらえるんだ」
グリズリーズのジャ・モラントは、今年2月に遠征中にナイトクラブで酔って拳銃を持ち出す様子を自らのSNSで配信し、リーグから出場停止を科された。この時に汚名返上を誓ってコートに戻ったものの、シーズンが終わった後の今月中旬、今度は友人のライブ配信の中で再び銃を持ち出して大きな批判を浴びている。
2月の時点でリーグは8試合の出場停止を科したものの、重いペナルティを与えようとはしなかった。NBAコミッショナーのアダム・シルバーはモラントと会い、このトラブルが彼とリーグにとってどう問題なのかを伝えている。行動をあらためると誓ったモラントへの信頼は裏切られた。リーグは2023-24シーズンに向けてモラントに長期出場停止を科す可能性がある。
モラントを擁護する者は、「銃を発砲したり、誰かを傷付けたわけではないのに、これだけ非難されるのかおかしい」と主張しているが、チャールズ・バークレーは『TNT』の番組内でモラント擁護派について「異常なほどのバカ」と評し、モラントにこう呼びかけている。
「スポーツをやって1億ドルを稼ぐようになれば人生は変わる。従わなければならないルールがあるのは分かるだろう。それまでは勝手にやれていたバカなことを止めるから大金がもらえるんだ」
アメリカの憲法では「武器(銃)を保持する権利」が認められていると同時に、州ごとに違いはあれど、公共の場での銃を携帯することには厳しい規制がある。今回のモラントのように、むきだしの銃を見せる行為を禁止している自治体は多い。
銃乱射事件が頻発する今のアメリカにおいて、選手が間違ったメッセージを発するリスクは非常に大きい。NBAのスター選手であるモラントの影響力は、往々にして政治家を上回る。若い世代にとっては特にそうだ。モラントが日常的に銃を保持し、それをクールなものとしてSNSで発信していれば、「銃を持っているのはクールだ」というメッセージをNBAファンに発信することになる。NBAとしては、野放しにしておける状況ではない。
NBAのスター選手であることのプレッシャーは大きく、そのストレスを上手く消化するのは若い彼にとって簡単ではないのだろう。彼にとっては銃を持つことが一つのストレス解消法なのかもしれないが、自分の行動が多くのファンにどんなメッセージとして伝わっているか、それがリーグ全体にどんな影響を及ぼすかを理解すべきだ。