アル・ホーフォード

「このシリーズにおいて、自分のオフェンスが重要ではないことは理解していた」

セルティックスはセブンティシクサーズとのカンファレンスセミファイナル第7戦を112-88で制し、ここ7年間で5度目のカンファレンスファイナル進出を決めた。この試合、セルティックスはエースのジェイソン・テイタムが51得点と大爆発した一方で、シクサーズのエースであるジョエル・エンビードを15得点に抑えたことが大きな勝因となった。

エンビード封じの立役者となったのはベテランビッグマンのアル・ホーフォードだ。第7戦だけでなく、シリーズ全体を通してホーフォードのエンビードに対するディフェンスは光っていた。地元メディア『NBC Boston』のクリス・フォルスバーグ記者によると、このシリーズでホーフォードがマッチアップした時、エンビードのフィールドゴールは80本中31本成功(38.8%)、フリースロー19本中18本成功の合計82得点。それがホーフォード以外の選手が相手だと、フィールドゴール63本中30本成功(47.6%)、フリースロー35本中31本成功の93得点と、いかにホーフォードの守備が素晴らしかったかをデータも示している。

6月3日に37歳となる大ベテランは、今シーズンのリーグMVPを受賞したエンビードへの対応についてこう振り返っている。「できる限り、すべてのプレーを難しくさせようと心がけた。彼がリーグMVPを受賞したのには理由がある。彼は多くのことができて、守備にプレッシャーをかけられる。だから僕は自分の人生のために戦い、インパクトを与えようと頑張ったんだ」

また、ホーフォードは守備にフォーカスしていたと続ける。「このシリーズにおいて、自分のオフェンスが重要ではないことは理解していた。ディフェンスの方が大事で、勝つチャンスを得るには、自分がこのチャレンジをしなければいけなかった」

ホーフォードとシクサーズには浅からぬ因縁がある。2018-19シーズン終了後にホーフォードはセルティックスからシクサーズに4年総額1億900万ドルの大型契約で加入した。しかし、エンビードとの共存がうまくいかず、わずか1シーズンでサンダーへと放出された。そしてサンダーでも途中から構想外となるなど、不遇の時を過ごしてきた。だが、2021-22シーズンにセルティックスへと復帰すると、ここまで不動の先発センターを務めている。今回のエンビードへの見事なディフェンスは、彼の実力が健在であることを何よりも示すものとなった。