「チームの決まりごとに対して、個々がもっと強く責任感を持ってやらないといけない」
アルバルク東京は4月29日、30日とアウェーに乗り込んで千葉ジェッツと対戦した。4月前半に黒星を重ねたことが響き、チャンピオンシップファーストラウンドでのホーム開催を逃したA東京だが、ここでリーグ最高勝率の千葉Jを破ることができれば大きな弾みがつくはずだった。しかし、結果は痛恨の連敗で、特に30日は66-94と大敗を喫してしまった。
この試合、A東京は第1クォーター残り4分まで13-13と互角の戦いを演じたが、それ以降は攻守において千葉Jのインテンシティの高いプレーに対応できなかった。オフェンスはボールムーブが停滞し、守備のズレを作れない。こうしてタフショットを打たされることで、千葉Jに得意とするトランジションに持ち込まれると、スピードに乗ったアタックを食い止めることができなかった。
この結果、第2クォーターで6-26と失速し、前半で31点の大量ビハインドを背負うと、後半に入っても反撃のきっかけを作れず。自分たちの良いところを全く見せることができない完敗だった。
A東京のデイニアス・アドマイティスヘッドコーチは、「最も重要な部分はフィジカルでした。出だしから千葉さんが昨日以上の激しさで来たことに我々は対応できませんでした」と敗因を語る。
さらにプレーに集中し切れなかったと振り返った。「レフリーの笛が吹かれなかったら、それに対応しないといけないのにしきれなかった。千葉さんはリーグベストのチームで、この2つの負けをしっかり受け止めて、来週の試合で修正していきたいです」
主力選手の1人である吉井裕鷹も「守りたいところを守れず、攻めたいところを攻めきれない。所謂、完敗という結果になったと感じています」と力負けを認めた。
A東京の根幹は、40分間集中力を切らさずに身体を張り続けるタフなディフェンスだ。しかし、今回はそれが全くできなかったと吉井は語る。「今日に関しては、昨日やられたところをしっかり守り切ろうと臨みましたが、そこで相手に上回れてしまいました」。そして次のように危機感を露わにした。「チームで決めたことを、もう1回やり直すのは間違いないです。ただ、それ以上にチームの決まりごとに対して、個々がもっと強く責任感を持ってやらないといけないです」
今週末に行われるレギュラーシーズン最終節、A東京はホームで名古屋ダイヤモンドドルフィンズと対戦する。今回の大敗で、今のチーム状況に不安を抱くファンもいるだろう。だからこそ、吉井は次のように誓う。「この1週間でどう改善していくのか。その結果を来週の試合で見せたいと思います」
ファーストラウンドで敗退した昨シーズンの雪辱を果たすためにも、最終節のA東京はなんとしても自分たちらしい堅守で本来の姿を取り戻す必要がある。そのためには、外国籍フォワードにも当たり負けしない、吉井のタフなディフェンスが欠かせない。