千葉ジェッツ

文=丸山素行 写真=野口岳彦

攻守が噛み合い、千葉が最大18点のリードを奪う

アルバルク東京がホームの駒沢オリンピック公園総合運動場体育館に千葉ジェッツを迎えた第2戦。第1戦と同様に、終盤までもつれる接戦となったが、1ポゼッション差に何度も迫られても同点にさせなかった千葉が76-71で勝利し、前日のリベンジを果たした。

アキ・チェンバースのブロックショットや素早いローテーションなど、千葉のディフェンスの良さが目立つ立ち上がりとなったが、それでもA東京は少ないチャンスでしっかりシュートを沈め、開始5分を過ぎて10-10と互角の展開に。

だがトランジションオフェンスで得点を重ね、得意な形が出た千葉が抜け出す。富樫勇樹の3ポイントシュート、マイケル・パーカーの速攻が決まり、トレイ・ジョーンズが第1クォーターのブザーと同時に3ポイントシュートを沈め、26-18と先行した。

千葉は第1クォーターの勢いそのままに、第2クォーター開始1分で6-0と走る。その後もジョーンズを4番に据えたスモールラインナップが機能。安藤誓哉にエアボールとなるシュートを打たせ、2度の24秒バイオレーションを誘発するなど、ゾーンディフェンスとマンツーマンを織り交ぜたチェンジングディフェンスでA東京のオフェンスを停滞させた。

千葉の大野篤史ヘッドコーチが「自分たちのオフェンスの勢いを作ったのはディフェンス」と試合後に話したように、千葉は攻守が噛み合いリードを広げていく。それでもA東京はアレックス・カークのインサイドでの得点で悪い流れを断ち切ると、馬場雄大が5得点を挙げるなどギリギリのところで立て直し、13点ビハインドで前半を終えた。

馬場雄大

3点差で踏みとどまり、逃げ切りに成功

後半開始早々、インサイドアウトから菊地祥平が3ポイントシュートを沈めて10点差にすると、A東京が点差を詰めていく。強度の上がったディフェンスの前に、千葉のシュートはことごとくリングに弾かれ、トランジションオフェンスも影を潜めた。残り4分を切り、馬場が狙い済ましたスティールからダンクを決めて7点差に。流れは完全にA東京だったが、トランジションから数的有利な状況を作ったところでカークがオフェンスファウルをコールされ、菊地がキャッチミスを犯すなど手痛いミスが続いた、さらには、審判のコールに対する過剰な反応でベンチテクニカルを取られるなど、千葉の背中を捉えきれなかった。

それでも最終クォーターに再び攻勢に出て、残り6分15秒、ジャワッド・ウィリアムズがゴール下で得点し、ついに3点差まで肉薄。そこからは互いに気持ちのこもった守り合いを続け、一進一退の攻防が続いた。カークにオフェンスリバウンドから得点を許しても、ギャビン・エドワーズがオフェンスリバウンドから入れ返すなど、千葉は何度も1ポゼッション差に迫られたが、それ以上の追撃を許さなかった。

残り20秒、カークのダンクを浴びて74-71と再び3点差とされるが、ジョーンズがファウルゲームで得たフリースローを2本とも沈め、そのまま逃げ切りに成功した。

千葉ジェッツ

「選手がタフに40分間戦ってくれたことが勝利につながった」

勝利した大野ヘッドコーチは「互いの強みが出た時間と強みを消された時間、そういうものを繰り広げた良いゲームだった」と総括した。

千葉は最終クォーターのオフェンスリバウンドで6-5とわずかに上回り、セカンドチャンスポイントで8点(A東京は4点)を挙げた。「リバウンドなど、やられてはいけないと言っていたプレーに対応でき、そこのアジャストメントが良かった」と言いつつも、「そんなことよりも、選手がタフに40分間戦ってくれたことが勝利に繋がった」とタフに戦った選手を称えた。

どちらに勝敗が転んでもおかしくない接戦だっただけに、富樫も「もう何が勝因とかは分からないです」と話す。それでも「オフェンスがどれだけダメでも、ディフェンスで大崩れしなかったのが一番大きかったと思う」とディフェンスでの勝利を強調した。

一方、敗れたA東京の指揮官、ルカ・パヴィチェヴィッチは「出だしがすべてです。相手に走られて止めることができなかった結果が敗因」と8点ビハインドを背負った第1クォーターを悔やんだ。そして、「昨日の第1戦に負けたことで千葉は最初からモチベーションが高くプレーしていた。それも一つの勝因です」と敵ながらアグレッシブな姿勢を見せた相手を称えた。

互いにライバルと認め合う両者の戦いは1勝1敗の痛み分けとなった。次に両者が交わるのは、1月23日のナイトゲーム。それまでにどちらがチームとしての完成度を高められるか、好ゲーム必至な再戦が待ち遠しい。

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