東京医療保健大

文=鈴木健一郎 写真=バスケット・カウント編集部

藤本愛妃「あと一つ、気合いで絶対に勝ちます」

インカレの女子は準決勝の2試合が行われた。前年王者の東京医療保健大は大混戦の末に白鴎大を振り切り、連覇へあと1勝と迫った。

攻守のバランスの良さを生かして先行した東京医療保健大は10点前後のリードを保つ安定した試合運びを見せていたが、第3クォーターに白鴎大にリバウンドや球際での強さで上回られるようになると、188cmのシラ・ ソハナ・ファトージャを強調する攻めを止められず猛追される。マッチアップするセンターの藤本愛妃、パレイ・ノリコが揃ってファウルがかさむ苦しい状況に追い込まれた。

それでも恩塚亨監督が試合後に「最後まで一貫して自分たちのプレーをすることができた」と勝因を語ったように、4年生の若原愛美を中心に我慢のバスケットを展開。ゴール下でのシュートがことごとくリングに嫌われる時間帯にディフェンスで踏ん張り、フリースローで得点を繋いで、追い付かれることはあっても逆転は許さなかった。

そして第4クォーター、ゴール下に持ち込んでも高さのある相手のプレッシャーにシュートが決まらなかったが、果敢にドライブで仕掛けてのシュートが決まるようになって白鴎大を再び突き放す。終盤、白鴎大はファトージャがファウルトラブルに陥った後にもう一段階ギアを上げて再び点差を詰めたが、東京医療保健大は最後まで崩れることなくリードを保ち続け、80-77で勝ち切った。

高さと巧さを兼ね備えたファトージャは26得点23リバウンドと活躍したが、東京医療保健大は平末明日香と永田萌絵が18点、藤本が17点、岡田英里が14点とバランス良く得点を奪うことで上回った。

ファトージャとマッチアップした藤本は「何度も対戦した相手なので、もう少し抑えたかった」と言いつつも、チーム力での勝利に手応えをつかんだ様子。女子では長らく成し遂げられていないインカレ連覇へあと1勝、「試合に出ていなくても支えてくれている4年生の先輩たちのためにも必ず勝ちたい。あと一つ、気合いで絶対に勝ちます」と意気込んだ。

決勝に向けて恩塚監督は「プレーヤーが熱い気持ちで自分の力を出し切れるようにフォローしたい」と語る。決勝は明日15時30分から、筑波大と愛知学泉大の勝者と行われる。