勝負どころでフォックス、ミッチェルの長距離砲が炸裂
NBAプレーオフのファーストラウンド、キングスvsウォリアーズの第2戦が行われ、序盤の不調からオフェンスを立て直したキングスが114-106の逆転勝ちを収めた。これでキングスはシリーズ通算2勝0敗としている。
試合の出だし、キングスは第1クォーターで3ポイントシュートが13本中1本成功のみとシュートタッチが悪いことに加え、9ターンオーバーとウォリアーズの守備に苦しみ17-23と先手を取られてしまう。だが、第2クォーターに入るとマリーク・モンク、デイビオン・ミッチェルらベンチメンバーの活躍もあって、持ち味の爆発的なオフェンスが復活。このクォーターで41得点を挙げ、58-52と逆転してハームタイムを迎えた。
後半になっても前半の良い流れをキープするキングスは、ドマンタス・サボニスを起点とした攻めで第3クォーター残り5分にはリードを15点にまで広げる。だが、ウォリアーズのアンドリュー・ウィギンズが積極的なアタックで得点を重ねて応戦し、第4クォーターに入ると、このクォーターで13得点とさすがの勝負強さを見せるステフィン・カリーの活躍でさらに点差を縮めていく。
だが、ウォリアーズが4点ビハインドで迎えた残り7分、ここで大きなアクシデントが発生する。リバウンドを取りに行った際にもつれて倒れたサボニスが、近くにいたドレイモンド・グリーンの足をつかむ格好となる。これに対して冷静さを失ったグリーンは、サボニスの胸を踏みつける愚行を犯し、フレイグラントファウル2の判定で一発退場となった。
貴重な主力選手を予想外の事態で失ったウォリアーズだが、百戦錬磨のチームに動揺はなく残り6分には93-93と追いついた。それでも僅差のまま終盤に突入するが、エースのディアロン・フォックスに加え、ミッチェルがここ一番で3ポイントシュートを決め切ったキングスが、決定力の差でわずかにウォリアーズを上回った。
24得点9アシスト5リバウンド4スティールと攻守でインパクトを残したフォックスは、グリーンの退場劇が試合の流れを変えるターニングポイントになったと振り返る。「あの出来事で僕たちはまとまることができたと思う。ハドルを組んで、『俺たちはこのゲームに勝たなければいけない』という感じになった。みんなグリーンは退場すると思っていた。ああいうことが起こると、いなくなったチームはより一体となって戦ってくる。だが、僕たちはそれを跳ね除けることができた」
敗れたウォリアーズは、これでホームに戻っての第3戦に絶対に勝たないといけない状況となったが、今回の退場劇でグリーンが出場できるのかは不透明だ。カリーは、「状況を受け入れないといけない。そしてチームが一つになって、集中しないといけない」と巻き返しを誓ったが、昨シーズンの王者が早くも連覇に向けて正念場を迎えている。