試合序盤に9-0のランでリードを奪うと、インサイドで力強さを見せて主導権を握る
4月12日、千葉ジェッツと秋田ノーザンハピネッツが対戦。千葉Jのジョン・パトリックヘッドコーチが「大事な時間に確率良く3ポイントシュートを決めてくれた」と振り返るように、33本中13本成功(39.4%)と高確率で3ポイントシュートを決め続けた千葉Jが84-68で勝利し、地区優勝マジックを3にした。
序盤から両チームとも持ち味とする堅い守備を見せる中、トランジションオフェンスが機能した千葉Jが開始3分半で9-0のランに成功する。また、このクォーターだけで10得点7リバウンドを記録したジョン・ムーニーを中心にリバウンドを奪ってセカンドチャンスポイントに繋げるなど、インサイドの攻防で秋田を上回ったことで、第1クォーターを26-18とリードして終える。
第2クォーターに入ると、千葉Jは最初のオフェンスで3ポイントシュートを決めたギャビン・エドワーズが速攻でも得点に成功し、開始30秒でリードを2桁に。その後は序盤と同様に両チームとも堅い守備を見せる中、アウトサイドシュート中心に攻め合う展開に。途中、千葉Jは秋田のダブルチームの前にターンオーバーを喫してイージーシュートを献上するも、クリストファー・スミスの3ポイントシュートですぐさま立て直し、11点差でハーフタイムを迎えた。
第1クォーターの先制点以来リードを奪えていない秋田は、長谷川暢の切れ味鋭いドライブなど、ペイントアタックから連続得点に成功して点差を縮める。ディフェンスではボールマンに対してダブルチームを仕掛けてボールを奪って速攻に繋ぎ、開始3分半で4点差まで詰め寄った。
秋田のタフなディフェンスの前にターンオーバーを喫してしまった千葉Jだったが、小川麻斗からエドワーズのアリウープダンクで悪い流れを断ち切ると、リバウンドから再びセカンドチャンスを得てフリースローでじわじわ点差を広げる。また、秋田のスコアラーであるスタントン・キッドに原修太がボールを持たせないタフなディフェンスを見せて得点を封じる。クォーターのラストポゼッションでは、スミスが1on1からブザービーターとなる3ポイントシュートに成功し、リードを14点にして最終クォーターへ。
第4クォーター、千葉Jは序盤こそ秋田の3ポイントシュート攻勢に手を焼き1-8のランを喫するが、エドワーズの積極的なアタックやリバウンド参加で秋田のファウルを誘いフリースローで繋ぐ。また、ここまでアウトサイドで存在感を見せていたスミスが1on1から得点を挙げるなど個人技で上回り、13点リードでオフィシャルタイムアウトへ。その後は、エドワーズのミドルシュートや西村文男の3ポイントシュートなど高確率でシュートを決め続け、残り2分半に20点差をつけて勝負を決めた。
敗れた秋田のケビン・ブラスウェルアシスタントコーチは、次のように試合を振り返る。「千葉さんはディフェンスも素晴らしいですし、オフェンスの武器がいくつもあるチームだと感じました。自分たちがディフェンスで仕掛けても、個人で打開されて点差を広げられました。第3クォーターはターンオーバーをすることなく得点できたことでビハインドを縮めましたが、その後に3ポイントシュートを打たせてしまい、再び突き放される展開になりました」
勝利した千葉Jのパトリックヘッドコーチは、96失点した前節の第2戦からディフェンスの強度を高め、60点台に抑え込んだディフェンスを評価した。「仙台(89ERS)戦と比べて、かなりディフェンスが良くなりました。キッド選手はヨーロッパでもハイレベルな選手でしたが、原がマークしている時間はボールをもらえていなかったです。ディフェンスを改善できた大きな勝利だったと思います」