前半に川崎がビッグクォーターを作るも、横浜BCも後半に盛り返して大接戦に

4月9日、川崎ブレイブサンダースと横浜ビー・コルセアーズが対戦。川崎にとってクラブ史上最多となる5,310人が駆けつけた『神奈川ダービー』は、横浜BCの猛攻を振り切った川崎が79-77で勝利し、中地区優勝とチャンピオンシップ出場に大きく前進した。

まず主導権を握ったのは川崎。ピック&ロールからミスマッチを突いたニック・ファジーカスが連続得点に成功すると、藤井祐眞、長谷川技を筆頭に高確率で3ポイントシュートを決めて開始5分で13-4と横浜BCを突き放す。その後も、インサイドを固めたディフェンスで相手のセカンドチャンスを阻止し、フィールドゴールを14本中3本成功に抑え込んで、23-8のビッグクォーターを作った。

第2クォーターに入っても、川崎の流れが続く。マイケル・ヤングジュニア、ジョーダン・ヒース、ファジーカスを起用したビッグラインナップによるゾーンディフェンスで連続得点を許さず、12点リードで迎えたオフィシャルタイムアウト明けには、ファジーカスが再び高さを生かしたミドルシュートから効率良く得点を重ねていく。クォーター終盤には前田悟の3ポイントシュートも飛び出して、19点リードしてハーフタイムを迎えた。

第3クォーターに入ると、青木勇人ヘッドコーチが「何をすべきかをみんなで確認して目の色が変わった」と話すように、ここまで防戦一方となっていた横浜BCが反撃に出る。デビン・オリバーのプッシュを起点に3ポイントシュートを連発すると、積極的なリングへのアタックで開始から3分で川崎の4つ目となるチームファウルを誘発。ここから横浜BCは強気なドライブはもちろん、チャールズ・ジャクソンを筆頭に前半5点に留まっていたセカンドチャンスポイントにも成功し、残り3分に10点差まで迫る。途中、ポイントカードの森井健太がファウルトラブルに陥るが、代わりにオリバーがボールをコントロールして立て直し、8点ビハインドで最終クォーターへ突入した。

第4クォーター、横浜BCは引き続きオリバーをポイントカード起用する中、そのオリバーからのキックアウトを受けた途中出場の大庭岳輝がバスケット・カウントや3ポイントシュートに成功し、開始3分半で4点差に。その後も横浜BCの勢いは止まらず、再びオリバーのアシストで森井が3ポイントシュートを沈めて70-69と逆転し後半のオフィシャルタイムアウトを迎えた。

怒涛の反撃を見せた横浜BCの前にビハインドを背負ってしまった川崎は、前半と同様にファジーカスにボールを集めてシュートを狙うが決め切れない時間が続く。しかし、ここ一番で藤井がオープンで3ポイントシュートを沈め再びリードを得る。その後は、横浜BCが3ポイントシュートで逆転を狙う中、粘り強くプレッシャーをかけたことで残り2分から13秒までフィールドゴールを許さず、2点差で逃げ切った。

惜しくも敗れた横浜BCの青木ヘッドコーチは、48-31と盛り返した後半についてこう振り返った。「どこで勝負するかの共通認識を持てたのが大きかったと思います。あとはジャクソン選手の(フィールドゴール)アテンプトが1本しかなかったので、そこについて確認をしてプレーできました。前半は(川崎のオフェンスを)全くストップできず、オフェンスもバラバラで焦っていたので、そこの違いは前半と後半で大きかったと思います。」

第1クォーターに最高のスタートを切り、横浜BCの猛攻を振り切った川崎の佐藤賢次ヘッドコーチは、次のように試合を振り返る。「第2戦はいつも出だしで苦しむことがどこのチームも多いと思いますが、今日はインテンシティを高く保って、ディフェンスから試合を作れました。今のチームにとって最も大きな収穫だったと思います。ただ、後半は激しいディフェンスを出せないまま時間が進んでしまったのが反省点です。その中で最後勝ち切れたのは非常に良かったので、後半の課題はしっかりチームで共通理解を持って水曜のゲームに臨みたいと思います」

また、クラブ史上最多の来場者が詰めかけた今回の『神奈川ダービー』について、こう話した。「『神奈川ダービー』ということで、横浜さんのブースターの方もたくさん来てくれていましたし、本当に良い雰囲気で試合ができたことをうれしく思っています。このままいけばウチと横浜で(チャンピオンシップの)クォーターファイナルになる可能性が高いので、良い試合をするために良い準備をして『神奈川ダービー』を盛り上げられたらと思います」