開幕から16勝5敗と堅調、熊本と島根との熾烈な争い
広島ドラゴンフライズは昨日に会見を開き、経営陣が新しくなったことを発表した。
クラブの全株式をNOVAホールディングス株式会社が取得し、オーナーとなる。NOVAホールディングスは英会話スクール『駅前留学NOVA』を全国で展開する企業。体制が変更となっても代表取締役社長としてチームに残る浦伸嘉は、「NOVAの一員として企業力を高め、チーム一丸となってB1昇格を目指していきます。チーム力はさることながら、フロント力を高めることで強いチームを支えていきたい」と新体制での抱負を語った。
NOVAホールディングスの本社は東京で、事業は全国展開している。それでも稲吉正樹社長は「スポーツを応援したいという考えがもともとあった。県下に1チームという地域性やチームに対する広島での熱を強く感じ、このチームを応援していきたいと思いました」と語る。経営権は刷新されるがフロントの体制は変わらず、チームも現時点では変更がなく、引き続きB1昇格を目指すことになる。
稲吉社長はこう続ける。「最初に話があった時点では、Bリーグは盛り上がってきているという印象だった。個人として、どこのチームを応援しようかということをぼんやり考えていました。広島は日本でも有数のエリアであるにもかかわらず、なんでB2なのかと思っていました。まずは今季B1に昇格して欲しいと思っています。その中で、人的、資金的な面、何がバックアップできるのか考えていきたいです。先々のビジョンはこれからです」
広島という都市を本拠地とし、かつてはNBLに所属してBリーグ発足の2年前には天皇杯のファイナルに進出するなど実績のあった広島ドラゴンフライズだが、Bリーグのスタートにあたって2部に振り分けられ、競争の激しいB2西地区において昇格を果たせないでいる。今回の経営権移行はなかなかブレイクスルーできない広島にとって大きな変革となりそうだ。
Bリーグの大河正明チェアマンも「NOVAホールディングス株式会社が広島ドラゴンフライズのオーナーに名乗り出ていただいたこと、素晴らしいチャレンジだと感謝しています。新オーナーには広島のために腰を据えて良いクラブをつくってほしいと期待しています」とのコメントを発表。
尺野将太ヘッドコーチが率いるチームはここまで16勝5敗と堅調に勝ち星を伸ばしているが、今シーズンはBリーグ1年目と同じように熊本ヴォルターズ、島根スサノオマジックとの昇格争いが熾烈を極めそうだ。広島は経営体制が頻繁に入れ替わった過去と決別し、安定した成長をしていけるか。チームのみならず、経営陣の頑張りにも期待したい。