マック・マクラング

Gリーグを主戦場にプレー、期待のダンクはファウルで止められ不発

NBAオールスターのダンクコンテストで優勝したマック・マクラング。その『ほぼ満点』の圧巻のパフォーマンスは今もファンに強烈な印象として残っている。その彼はセブンティシクサーズ傘下のGリーグチーム、デラウェア・ブルーコーツでプレーしており、シーズン途中にシクサーズと2ウェイ契約を結んだものの、東カンファレンスの上位争いを演じるシクサーズに呼ばれることはなく、Gリーグでのプレーを続けていた。

それでも、現地4月7日のホークス戦で、彼は初めてシクサーズの一員として出場機会を与えられた。すでに3位が確定した状況で、シクサーズは主力を休ませ、Gリーグから呼んだ若手をベンチに入れたのだ。昨シーズンはブルズとレイカーズでそれぞれ1試合に出場していた彼にとっては、NBAでの3試合目となる。8分間のプレーで3ポイントシュート1本成功、そしてフリースロー2本を決めて、5得点を記録した。

デラウェア・ブルーコーツでは先発ガードとしてチームを引っ張るマクラングは、先日はチーム史上初のGリーグ優勝に貢献し、ファイナルでは第1戦で35得点7アシスト、第2戦では30得点8アシストと大活躍している。ただし、シクサーズでは先発が全員欠場する状況でもプレータイムを8分しかもらえないのが今の立ち位置。ここから信頼を勝ち取っていかなければならない立場だが、彼が特別なのは会場のファンが彼のことを知っており、『あのダンクコンテストのマクラングが!』と、他のシクサーズの控え選手とは比べ物にならないほど注目されることだ。

第1クォーター途中に投入されたマクラングは少々気合いが入りすぎていたようで2つのターンオーバーを喫したが、後半は落ち着きを取り戻して効率の良いプレーを見せた。第3クォーター終盤にドウェイン・デッドモンのアシストを受けて3ポイントシュートを決めて、シクサーズでの初得点を記録。第3クォーターのラストプレーでは、味方がブロックショットしたボールを拾って速攻に持ち込む。敵地にもかかわらず、マクラングのダンクを期待する観客は大いに沸き、ダンクに跳ぶ前に彼がファウルで止められると会場は溜め息に包まれた。

8分間で5得点。貴重なチャンスで結果を残せたとは言えないが、ファンが彼に大きな期待を寄せているのは間違いない。ドック・リバースは「少し緊張もあったのか、ボールを持ってやりすぎようとした感がある。それでも素晴らしい身体能力とシュート力が彼の助けになるだろう」と語っている。

同じようにブルーコーツで活躍してシクサーズに引き上げられたのがジェイデン・スプリンガーで、GリーグファイナルのMVPとなった彼は先発出場のチャンスを与えられ、34分のプレーで19得点と活躍した。2021年の1巡目28位で指名されたスプリンガーは、2年目のシーズンもローテーションに食い込めず苦戦していたが、Gリーグで成長してここで結果を出している。

マクラングもスプリンガーもレギュラーシーズン最後の最後に貴重な出場機会を得ることができた。現地9日、レギュラーシーズン最終戦のネッツ戦は消化試合だが、彼らにとっては逃せないチャンスとなる。