「僕たちは互いのベストを引き出し合ってきた」
レブロン・ジェームズとドウェイン・ウェイドは、現役最後の対戦となった12月10日の試合後、サイドライン近くで笑い合い、そして抱き合った。
ステイプルズ・センターで行われた一戦は、終盤の2ポゼッションに集約されていたと言っても過言ではないだろう。ウェイドがレブロンを抑え、そしてレブロンがウェイドに得点を許さず、レイカーズが3点リードを守り抜いて108-105で勝利を収めた。
ウェイドは、残り7.2秒にレブロン越しに放った3ポイントシュートを外した。本来は違う選手がウェイドに対応するはずだったが、レブロンはスイッチしてウェイドのマークについた。終盤の1対1について、レブロンは「あるべき形で終わった」と語った。「勝敗について言っているわけではなくて、彼と自分がラスト2ポゼッションでマッチアップしたことだ。彼が自分を守って、自分が彼のマークについた。あの瞬間を受け入れられた会場は、たった一つだけ。それがステイプルズ・センターだった。ご褒美をもらった気分だね」
試合終了後、互いに試合で着用したジャージーを交換した両選手だったが、ウェイドは、それとは別に白のヒートのジャージーにメッセージ書いてレブロンにプレゼントした。そこには「自分が想像していた以上の選手になれるように追い込んでくれて、ありがとう」と書かれてあった。
What a finish in LA… LeBron James & Dwyane Wade embrace after the buzzer in their final matchup! #OneLastDance #ThisIsWhyWePlay pic.twitter.com/N4NEikBXof
— NBA (@NBA) 2018年12月11日
レブロンにとっても、ウェイドは同期、ライバル、チームメート、友人以上の存在だ。2010年のオフにフリーエージェントになったレブロンは、慣れ親しんだ故郷クリーブランドを離れ、マイアミでウェイド、そしてクリス・ボッシュとの『スリー・キングス』結成を決断した。そして、2012年と13年にNBA連覇を達成した。
レブロンは「自分一人でも、このリーグで成功できていたかもしれない。でも、自分が成し遂げたかったこと、つまり、最高レベルで勝つためには彼が必要だったんだ」とコメントした。
「だから決断した。言葉で表現できる以上に、彼がマイアミに移った自分のためにしてくれたことに感謝している」
ウェイドは、この日の試合を含めてNBAキャリア16年で31度対戦し、2010年から4年間ヒートで同じ釜の飯を食った親友への思いを、試合後に率直に語った。
「寂しいよ。史上最高の選手の一人と対戦したくて、自分たちはプレーしているんだ。チームメートであっても、対戦相手であっても、僕たちは互いのベストを引き出し合ってきた。自分たちの友情は、バスケットボールを超えたものだからね。でも、寂しい。彼は史上最高の選手の一人だけではなくて、最高の人間の一人でもあるから」