トレ・ジョーンズ

トレ・ジョーンズ「今シーズンのためじゃなく、その先のために学んでいる」

スパーズは20勝59敗とクラブ史上で最も低迷するシーズンの一つを過ごしている。それでも、チームは戦う姿勢を崩してはいない。現地4月4日には94-115でサンズに敗れたが、第2クォーター途中でダブルスコアの31点差を付けられた時も、選手たちは下を向くのではなく、チームで結束して攻守のギアを上げようとしていた。

チームは満身創痍で、ケルドン・ジョンソンは右足、デビン・バッセルは左膝、ジェレミー・ソーハンは右膝、ザック・コリンズは指、ロミオ・ラングフォードは右足の内転筋を痛めて欠場していた。サンズ戦で使える選手は10人しかいなかったが、ダグ・マクダーモットはわずか6分間のプレーで足首を痛めて交代を余儀なくされ、デボンテ・グラハムも試合終盤に足を痛めてロッカールームに下がった。

スパーズを率いるグレッグ・ポポビッチは、もう何試合も前から「最後まで戦い続ける」と繰り返し語っている。「どの選手もプレータイムを得れば奮い立ち、自分の力をアピールする。誰かがケガをすれば、別の選手がそのプレータイムを得てアピールするんだ」

勝ち負けを問われる状況ではないが、勝利を目指してプレーをすることが若い選手にとっては学びとなる。「一生懸命にプレーし、ミスをすればそこから学ぶ。これが今の我々の目標だ」とポポビッチは言う。

「誰が出るにしても、どうプレーするかを教え、経験を積ませたい。これだけケガ人が多いと、一緒にプレーしたことのない選手たちを組み合わせることになる。それで通用するほどウチはタレントに恵まれていないが、そこでベストを尽くしてくれるのなら、今の我々にはそれで良い」

シーズンは残すところ3試合。ケガ人は多いが、出場できるコンディションになれば誰も除外せずにプレーさせるつもりのポポビッチは「成長の過程を一つも無駄にしたくはない」と言う。

キャリア3年目で先発ポイントガードに定着する飛躍のシーズンを送るトレ・ジョーンズは「今の僕らは全体像を見なければならない。今シーズンのためじゃなく、その先のために学んでいるんだ。勝敗にかかわらず、常に学び続けなきゃいけない」と言う。

ジョーンズはこう続ける。「このチームはすごく仲の良いグループで、大変なシーズンだけどみんなで支え合ってきた。互いに刺激し合って、ベストを尽くすよう励まし続ければ、それがいずれ大きな成果に繋がると信じている。僕らはみんな負けん気が強く、どの試合にも勝ちたいけど、若さを生かしてここに何かを築きたいと思っているんだ。今はとにかく、できるだけ多くを学ぶ。それはこの先に報われるはずだ」

結果の出ないシーズンでも、最後の1試合まで成長の機会を無駄にはしない。ロッタリーの抽選の前にも、彼らにはまだやることがたくさんある。