自分のマークを逆手に取ったカリー「JPにシュートを打たせた」
ウォリアーズは直近の7試合で5勝を挙げているが、プレーオフのストレートインとなる6位を守るのは簡単ではない。レブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスが揃い踏みとなったレイカーズが直近の7試合で6勝を挙げて0.5ゲーム差まで詰め寄り、現地4月4日にレイカーズが勝ってウォリアーズが負ければ順位が入れ替わる状況だった。
ウォリアーズがホームに迎えたのはサンダーで、こちらはマーベリックスを相手にプレーイン・トーナメント圏内の10位を守らなければならず、どちらも負けられない状況だった。32得点を挙げたシェイ・ギルジャス・アレクサンダーを中心とするサンダーに序盤から常にリードを奪われる展開となったが、ウォリアーズは第4クォーターを34-19と圧倒し、136-125で逆転勝ちを収めた。
得点面ではクレイ・トンプソンが腰の痛みにより欠場した分を、先発に回ったジョーダン・プールが30得点で埋めた。そのうち18得点は第4クォーターに決めたもの。逆転劇の主役となったプールは、「絶対負けられない試合の終盤で、仲間が僕を信頼してパスを回してくれた。良いポジションを取り、自分にできるベストを尽くそうとしたんだ」と語る。
そしてこの逆転劇は、ウォリアーズの作戦勝ちでもあった。エースのステフィン・カリーは試合を通じてゲームハイの34得点を挙げたが、第4クォーターに放ったシュートは1本だけで、わずか5得点。それでもカリーが相手ディフェンスの注意を引き付けてプールで決める、この形が見事にハマった。
カリーはルグエンツ・ドートにフェイスガードを仕掛けられており、それを逆手に取ったと説明する。「ドートはずっと僕に貼り付いて、決してヘルプに行かなかった。だからJP(プール)のためのスペースを作り出し、彼にシュートを打たせたんだ。JPは最後の最後まで素晴らしいプレーをしてくれたよ」
レイカーズの圧を背中に感じていたウォリアーズだが、サンダーに勝ったことで、この日は試合のなかったクリッパーズをかわして5位へと浮上した。ただし、中2日と試合感覚が空く間に6位で並ぶクリッパーズとレイカーズの直接対決があり、明日にはその勝者がウォリアーズをかわして5位に上がる。それでも、ウォリアーズは残るキングスとトレイルブレイザーズとの試合に連勝すれば6位は守ることができる。
緊迫する状況だが、指揮官のスティーブ・カーは「楽しくてたまらないね」と笑顔を見せる。「我々はみんな、ハイレベルな競争を歓迎している。この数週間、このポジションにいるためにやってきた努力を誇りに思うよ」
ウォリアーズに余裕が感じられるのには理由がある。クレイ・トンプソンの欠場は想定外だったが、最近はあまり出番のなかったモーゼス・ムーディーが出場機会を得て13得点と活躍。先発のジョナサン・クミンガも含めて若手の成長がチームの力になっている。さらにはレギュラーシーズン最後の最後にはなったが、個人的な事情でチームを離れていたアンドリュー・ウィギンズがチームに戻って来た。コンディションには問題がなく、近く試合にも出場できそうだ。
あとは残る2試合でベストを尽くし、プレーオフ進出を決めるだけ。ディフェンディングチャンピオンは開幕からここまで苦戦続きだったが、ようやくメンバーが揃い、思い通りのバスケができるようになりつつある。