ルカ・ドンチッチ

「僕はこのチームのリーダーだ。だから責任の多くを引き受けるよ」

マーベリックスは37勝42敗でプレーイン・トーナメント圏外の11位、レギュラーシーズンの残り試合数は3で、直接対決で負け越しているサンダーに実質2ゲーム差を付けられている。直近の8試合で1勝しかできていないマーベリックスにとって、巻き返しは非常に厳しいと言わざるを得ない。

その状況で、チーム周辺ではプレーオフ進出をあきらめ、ルカ・ドンチッチを休ませるべきとの意見も出てきたが、ドンチッチは戦闘態勢を解いておらず、「明日の試合には出る。逆転できる可能性はほとんどないって分かっているけど、チャンスがある限りはプレーする」と断言した。

「昨シーズンにカンファレンスファイナルまで進んだチームが、わずかなプレーオフ進出の可能性を追い掛けている現状には失望しているよ。NBAオールスター以降の成績が振るわず(6勝13敗)、最近は特に落ち込んでしまっている」

ドンチッチのパフォーマンス自体は悪くない。得点はNBAキャリア5年目にして平均30を超え、33.0得点のジョエル・エンビードに次ぐ32.8得点と、いまだ得点王が狙える位置につけている。しかし、この10日でドンチッチが40得点超えのパフォーマンスを見せたホーネッツ戦、ヒート戦も敗れており、チームの攻守は噛み合っていない。

長らくコンビを組んだジェイレン・ブランソンが昨夏に去ったことで、彼の16.3得点が抜けた分を補うべくドンチッチのプレーはオフェンスに偏るようになり、結果としてチームの攻守のバランスはなかなか整わなかった。トレードデッドラインにカイリー・アービングを獲得して超強力なバックコートコンビが生まれたが、スペンサー・ディンウィディーとドリアン・フィニー・スミスを手放したことでチームプレーの面ではむしろ後退し、攻守のバランスはいまだ取れていない。

チーム低迷の理由について、ドンチッチは「理由はいくつかあるけど、答えが分かっていたらこの位置にはいない」と言い、チームの完成度が昨シーズンよりも劣っていることを認めた。「今は勝てていないから、いろんなことが難しいよ。1年前はみんなが一丸となり、チームの結束は最高だった。でも、それはすぐにできるものじゃなくて、長いプロセスを経てできるものなんだ」

「試合に勝つのは簡単なようで簡単じゃない。NBAで勝つには、いろんなことが重要になる。でもこの3試合で何とかしなきゃならない。僕はまだあきらめない。いつも言っていることの繰り返しでつまらないかもしれないけど、それが僕なんだ」

ドンチッチはチャンスがある限りは戦い、エースとしての責任を全うしようとしている。「僕はこのチームのリーダーだ。だから責任の多くを引き受けるよ。上手くいかない要因はいろいろある。この3年間ずっとプレーし続けて、オフは4週間しか取っていない。オフェンスでもディフェンスでも全力でプレーするのが大変だと思うことは時々ある。でも、ディフェンスをもっとやらなきゃいけないのは間違いない。これは言い訳じゃない。かなりプレーしてきたけどまだ若いから、もっと向上しなきゃいけないんだ」