41得点も勝利に繋がらず「試合中に見せる努力に対しては満足」
この状況になっては、バック・トゥ・バックも言い訳にはならない。それでもアウェー5連戦のラスト、マイアミからアトランタに移動してのホークス戦がオーバータイムに突入すると、もはや気力も体力も限界だった。
第4クォーターの最後にクリスチャン・ウッドのフリースローで1点差とし、2投目を外したところでジャベール・マギーがリバウンドに食らい付いて新たなフリースローをもぎ取って追い付いたものの、ここで勝ち切れなかったのは痛かった。オーバータイムも接戦のまま推移したが、最後は良い攻撃をクリエイトできず、マーベリックスは130-132で敗れた。
前日のヒート戦に敗れた後には「ウチにはディフェンスが存在しない」とチームの不甲斐ない戦いぶりを責めた指揮官のジェイソン・キッドは、この日は「ギリギリの状況を耐え抜き、どちらに転んでもおかしくない試合へと持っていった選手たちの努力を褒めてほしい」と語った。
その努力を最も分かりやすい形で体現していたのがマギーだ。今シーズンは平均プレータイムが8.1分で、ヒート戦では出番のなかったマギーは、この試合でも前半は出場せず。それでも後半に9得点5リバウンドと、チームに不足していたエナジーを補い、オーバータイムも5分間フル出場で奮闘した。
しかし彼は、決めていれば勝っていたであろう第4クォーター最後のフリースローを悔やみ、「いつもプレーしているわけでもないのに、あそこで映画みたいには決められない」と振り返った。
マギーによればロッカールームの雰囲気は「沈痛」だそうだ。この日、10位のサンダーが敗れたことで11位マブスとのゲーム差は1のまま。プレーイン・トーナメント進出の可能性が首の皮一枚で繋がった状況を受けて、「とにかく自分たちが集中を保つことを考えたい。団結し、できる限り勝ちたい」とマギーは言う。
カイリー・アービングはフィールドゴール27本中16本を決めて41得点を挙げたが、勝利には繋がらなかった。足のケガが治って今は問題なくプレーできているカイリーだが、「ケガでリズムを取り戻すのに時間がかかった。本当はこういうプレーがもっと早くからできていたはずで、チームが今の状況に陥っている責任を僕も感じている」と言う。
「負け続けているから、みんな精神的にも疲弊している。でも、僕たちはプロだから、簡単でないとしても、トンネルの出口に光を見付けて、かすかな希望でも巻き返せると信じている。それに、試合中に見せる努力に対しては満足しているんだ。あとはチームとして、上手く試合を終わらせるだけだ」
マブスはこれで3連敗、アウェー5連戦で1勝しか挙げられなかった。しかし、残り3試合はすべてホームゲーム。カイリーの言うように、かすかな希望を信じて戦い続けることで逆境をはねのけるしかない。