サンロッカーズ渋谷

日本人選手がステップアップし、3選手が2桁得点を挙げたSR渋谷

宇都宮ブレックスvsサンロッカーズ渋谷の第2戦は、ジェームズ・マイケル・マカドゥが退場するアクシデントに見舞われるも、チーム一丸でそのピンチを乗り切ったSR渋谷が81-75で勝利し前日のリベンジを果たした。

開始約3分で10-10と、立ち上がりは点の取り合いに。両チームともにシュートタッチが良く、3ポイントシュート成功率は50%を超えた。宇都宮の5本中3本の成功に対し、6本中5本の3ポイントシュートを沈めたSR渋谷が23-22とわずかにリードして第1クォーターを終える。

第2クォーターに入るとSR渋谷が主導権を握る。ジェームズ・マイケル・マカドゥがプットバックダンクをかまし、西野曜がゴール下で合わせるなど、持ち味を生かしたプレーが炸裂。さらにディフェンスのローテーションミスを突き、ベンドラメ礼生が3ポイントシュートを沈め、約3分間で6-0と走った。

それでも、宇都宮はここでタイムアウトを取ると、デザインプレーから鵤誠司がコーナースリーを沈めてしっかりとオフェンスを修正した。その後、渡辺竜之佑の高さのアドバンテージを生かしてSR渋谷が加点すれば、宇都宮はパスの行き先を読んだワンマン速攻で対抗し一進一退の攻防が続く。ラストポゼッションでライアン・ケリーがタフショットを沈めたSR渋谷が3点をリードして前半を終えた。

後半に入ると、再びSR渋谷がペースを握る。華麗な連携からマカドゥがアリウープを決めると、直後のポゼッションではスティールから再びマカドゥが速攻を決める。さらに素早い攻守の切り替えからベンドラメの速攻も成功し、1分間で6-0と突き放した。その後もSR渋谷が優勢に試合を進めていたが、スクリーンに対して過剰に身体を当てたマカドゥがディスクォリファイングファウルで一発退場となるアクシデントが発生。大黒柱の突然の退場がチームに与えるダメージは大きいはずだが、SR渋谷はここで崩れなかった。

西野がアグレッシブにアタックし、2連続でバスケット・カウントを奪えば、ケビン・ジョーンズもインサイドで確実にスコアする。守っては強度を保ちつつ、8秒バイオレーションを誘発するなど、冷静な判断力も光った。こうして逆転を許さずに5点をリードして最終クォーターに入ると、セカンドチャンスポイントにドライブからのバスケット・カウントと西野が再び存在感を発揮。そして、残り6分15秒には、渡辺が合わせからゴール下を決めてこの試合初めて点差を2桁に乗せた。

その後、高島紳司に3ポイントシュートを射抜かれて反撃のきっかけを作られるが、ここで主にディフェンス面での貢献が目立った関野剛平が2本連続で3ポイントシュートを沈めて反撃の芽を摘んだ。こうして、要所で日本人選手の活躍が目立ったSR渋谷がわずかながらもすべてのクォーターで上回り、2ポゼッション差の接戦を制した。

SR渋谷はジョーンズがチームハイの15得点を挙げたが、西野が14得点、ベンドラメが13得点、渡邊が11得点と日本人選手のステップアップで宇都宮を撃破した。マカドゥの離脱は痛恨だったはずだが、指揮を執った木下博之アシスタントコーチは結果的に宇都宮の強度が下がったとの印象を受けたという。

「僕自身の長い経験からの推測なんですけど、僕たちが引いたというより宇都宮さんが引いたというか。ウチの選手が引き締めてプレーしたことによって生まれた差だと感じましたが、あそこで宇都宮さんの怖さがなくなった気がしました」