離脱した古川の得点力のカバーが急務に
4月1日、秋田ノーザンハピネッツはホームで名古屋ダイヤモンドドルフィンズと対戦。この試合の前まで5連勝と勢いに乗る名古屋Dに対して、第3クォーターに9点のリードを奪うも、終盤にリバウンドを取り切ることができず相手にセカンドチャンスを許し、72-76で逆転負けを喫した。
秋田は平均86.2得点とリーグトップクラスの攻撃力を誇る名古屋Dを70点台に抑え込むディフェンス力を見せたが、それだけにケビン・ブラスウェルアシスタントコーチは、後半だけで8本も取られてしまったオフェンスリバウンドを課題に挙げる。「(名古屋Dの得点を)76点に抑えられたのは良かったですが、試合の大事なところでの自分たちのミスやコントロールすべきところをコントロールできなかったことが負けに繋がってしまいました。相手のセカンドチャンスポイントだったり、リバウンドだったりを半分(の数)に削ることができていれば、ウチの展開になっていたと思います」
この日、27分45秒の出場で日本人トップの10得点を挙げた中山拓哉も「自分たちから勝てるチャンスを壊してしまった」と話し、次のように続けた。「試合を通じて両チームとも我慢を続ける試合だったと思います。その中で後半に向こうにオフェンスリバウンドや、決めるべきシュートを決められてしまいました。特に第4クォーターに、自分たちがやらなきゃいけないことをできていなくて負けてしまったと思います」
しかし、課題だけが露呈した試合ではなかった。マンツーとゾーンを駆使したチェンジングディフェンスで、名古屋Dから19ターンオーバーを誘発。そしてボールを奪うとすぐさま全員がトランジションに走り、ファストブレイクで15点を積み上げるなど、秋田らしい堅守速攻を披露した。
こうした手応えもある一方、第4クォーターの3ポイントシュートが7本中0本成功と、終盤の決定力に悩まされた。秋田は、ここまで全試合に先発出場して平均12.5得点をマークしていた古川孝敏がケガにより前節からベンチ外となっており、大幅な得点力ダウンを強いられていた。中山自身も、ベテランシューターの不在によるチーム全体の決定力不足を感じているという。「名古屋さんも僕たちも速い展開にしたいと考える中、良くボールが回っていたと思いますし、アシスト数も多くなりました。ですが、もっと得点できる場面がたくさんあったかなと。僕もイージーな2点を外してしまったので、そこの決定力を高めていかないと勝てないと思います」
「自分たちはディフェンスチーム。今シーズンは自分たちがやりたいバスケットを40分間できていない試合が多かったので徹底したいです。得点面では古川選手と田口(成浩)選手の穴を埋められるように、どんな時でもアグレッシブにチームとして戦っていきたいと思います」。そう話す中山を中心に再び『秋田のバスケ』を見せられるか。今日の第2戦は秋田の修正力と気持ちの強さが試される一戦となりそうだ。