「自分たちがやるべきことにもっと集中すべきだ。まずは僕からだ」
ホーネッツはプレーオフ戦線から早々に脱落し、人々の関心はすでにロッタリーへと向いている。一番のスター選手であるラメロ・ボールは足首のケガで1カ月前からプレーしておらず、前日のペリカンズ戦ではケガ人続出で選手の数が足りない状況に陥った。ニューオリンズで敗れ、深夜に移動してのバック・トゥ・バックの2試合目。テリー・ロジアーが足、ケリー・ウーブレイJr.が肩を痛めてプレーできない。そんなチームをホームに迎えるマーベリックスが、油断することなく試合を迎えられたはずはない。
それが、109-117という無様な敗戦を呼ぶきっかけとなった。2日前にはプレーオフのストレートインとなる6位を懸けてウォリアーズと戦ったマブスは、手痛い連敗でサンダーと並び36勝38敗で西カンファレンスの10位に。サンダーには負け越しが決まっているので、この時点でマブスはプレーイン・トーナメント圏外へと転落してしまった。
2日前のウォリアーズ戦で復帰したルカ・ドンチッチに加え、この試合からはカイリー・アービングが戦列に戻って来た。ティム・ハーダウェイJr.を体調不良で欠いたものの、チームのコンディションではホーネッツを大きく上回っていた。
試合の流れに大きく影響したのは3ポイントシュートだった。ホーネッツは開始早々にスビ・ミハイリュクが決めたのを皮切りに、第1クォーターだけで10本中6本を成功させた。一方でマブスは8本打って成功なし。第2クォーターが始まって2分半後、レジー・ブロックがチーム10本目の3ポイントシュートをようやく決めている。第2クォーター以降、ホーネッツの3ポイントシュートは18本中5本しか決まらず、試合を通じて28本中11本成功と平均的な確率に落ち着いたが、マブスの3ポイントシュートは36本中9本成功と最後まで決まらなかった。
14点差で前半を終えた時点で、マブスのファンは大ブーイングをチームに浴びせた。さらに第3クォーター残り5分半、点差を18点まで広げられてタイムアウトを取ると、さらに盛大なブーイングがアリーナを包んだ。
ここでようやくスイッチが入ったマブスは反撃を開始し、第4クォーター途中に1点差まで詰め寄った。ところがここでマーク・ウィリアムズ、ブライス・マギャウウェンズ、JT・ソーとホーネッツの脇役たちに連続得点を許し、デニス・スミスJr.にも得点を許して10-0のラン。これで勝機を逸してしまった。
ドンチッチは34得点10リバウンド8アシストを記録したが、活躍よりも常にイライラして、プレーに集中できない様子が目立った。試合後、「マブスでの5シーズンで、これほどイライラしたことはないのでは?」と問われた彼は「そうだね。本当にフラストレーションが溜まっているよ」と答えた。
「以前は楽しくてコート上で笑っていられたけど、最近は本当にイライラする。時には自分が自分のように感じないこともある。バスケだけじゃなく、いろんな理由があるんだ」
ドンチッチはイライラの理由について話そうとはせず、こう続けた。「自分たちがやるべきことにもっと集中すべきだ。まずは僕からだ。もっと良いプレーを、もっとハードなプレーをして、このチームを引っ張らなきゃいけない。自分次第だと思っている」