キャブズは『レブロン時代』以来のプレーオフへ前進
キャバリアーズは昨シーズンに若いチームが急成長し、再建期を脱した。それでも序盤は好調だったが、シーズンが進むにつれて疲労から調子を落とし、経験不足のチームは一度リズムが乱れるとなかなか立て直せなかった。NBAオールスター以後は9勝15敗と失速。プレーイン・トーナメントに回り、ネッツとホークスに敗れてシーズンを終えた。
それでも今のキャブズは、1年前とは違った姿を見せている。NBAオールスターまでが38勝23敗、それ以後も9勝5敗と良いペースを維持している。現地3月21日と23日には敵地でネッツと対戦し、連勝を収めた。これでネッツはプレーオフのストレートインとなる6位から脱落し、キャブズはプレーオフのファーストラウンドをホームで開催できる4位以上の確保が濃厚となった。
23日のゲームは劇的な逆転勝利となった。第4クォーターにネッツに突き放され、残り2分で6点のビハインドを背負ったが、そこから集中力を増したのはキャブズで、逆にネッツは信じられないようなミスを連発。1点ビハインドの残り11.1秒にドノバン・ミッチェルがフリースロー2投を得て、1本目を決めて追い付くも2本目を外す。しかしネッツは人数こそ足りていたにもかかわらずリバウンドを押さえられず、キャブズのセカンドチャンスに。
もう一度ミッチェルが試みたシュートは外れたが、こぼれ球は再びキャブズに。キャリス・ルバートが逆サイドのコーナーへと走るアイザック・オコロを見逃さずにパスを送る。完全にオープンとなったオコロが3ポイントシュートを沈め、土壇場でキャブズが逆転勝利を挙げた。
試合後のオコロは最後のシーンをこう振り返る。「ドン(ミッチェル)がレイアップを外すとは思っていなかったから驚いたけど、もう一度チャンスになったからコーナーへと走った。自分のスポットに走りながら『これはパスが出てくるぞ』と思ったよ。もちろんプレッシャーはあったけど、この時のために毎日毎日コーナーからのシュートを練習し続けているんだ。仲間が僕を信じてパスを出してくれているんだから、僕も自信を持って打った」
オコロはチームで最も多い74試合に出場している主力だが、シュート試投数も得点もチームで7番目の『脇役』だ。彼はヒーローになったことに少々照れ臭そうだったが、「ゲームウィナーを決めるのは初めてなんだ。最高の気分だね」と喜ぶ。「ルーキーシーズンのプレシーズンマッチで一度だけ決めたことがあるけど、それはプレシーズンだから、これで2回目って言ったらおかしいよね(笑)」
そしてオコロはこう続ける。「僕に限らず、このチームの全員がお互いに毎日毎日どれだけの練習をしているかを知っていて、だからこそ信頼し合うことができる。その自信と信頼があるからこそ、今日のような素晴らしいチームバスケットができるんだ」
レギュラーシーズンは残り7試合。ファーストラウンドのホームで戦う権利をキープしつつ、『レブロン時代』以来となるプレーオフに向けて準備を進めることになる。