サンロッカーズ渋谷

お互いに2桁リードを許さない緊迫した試合展開が続く

3月22日、サンロッカーズ渋谷と新潟アルビレックスBBが対戦した。外国籍選手を起点とした得点の取り合いが最終クォーターまで繰り広げられたが、第4クォーターだけで9得点と勝負どころでことごとくシュートを決め切ったベンドラメ礼生の活躍で、SR渋谷が97-93のハイスコアリングゲームを制した。

新潟はSR渋谷のパッシングに対応できず、試合序盤に0-8のランを受け、この日最大の9点差をつけられてしまう。しかし、強度の高いボールマンプレッシャーを徹底してSR渋谷のターンオーバーを誘い、ケヴェ・アルマのダンクシュートや途中出場の澁田怜音の3ポイントシュートが決まって残り4分で1点差まで追いつく。さらに、コフィ・コーバーンとロスコ・アレンの2人が獲得した8本のフリースローをすべて沈めて、新潟が26-24とリードして第1クォーターを終える。

第2クォーターはSR渋谷が抜け出した。ベンドラメのパスを起点に津屋一球やライアン・ケリーが3ポイントシュートを連発。ジェームズ・マイケル・マカドゥもアレンとの1on1を制して追加点を挙げたことで、オフィシャルタイムアウト時点で5点のリードに成功する。また、コーバーンのゴール下で得点を狙う新潟に対し、SR渋谷は全員が球際への積極性を見せてオフェンスリバウンドを連続で獲得し、セカンドチャンスから加点。SR渋谷が44-42とリードを取り返して試合を折り返した。

第3クォーターに入ると、SR渋谷のケビン・ジョーンズが爆発。序盤から3ポイントシュートやセカンドチャンスポイントでこのクォーターだけで15得点を挙げ、リード拡大に貢献する。しかし新潟も、コナー・ヘンリーヘッドコーチが「ダブルチームに来るのが分かっている中、ポストからの展開を本当によくやってくれた」と称賛したコーバーンが、ゴール下での得点やパスアウトで木村圭吾の3ポイントシュートをアシストし、29-29と得点を取り合って最終クォーターへ突入した。

新潟は第2クォーターに負傷したケヴェ・アルマの穴を埋めるべく、以降出ずっぱりだったコーバーンとアレンが、第4クォーターも引き続き奮闘。ビッグマンである彼らが献身的に速攻に走ることでオフェンスの良い流れを作り、オフィシャルタイムアウトを1点リードで迎える。

しかしSR渋谷は、関野剛平の3ポイントシュートで早々にリードを奪い返すと、ピック&ロールをアンダーで守るコーバーンに対して、ベンドラメが3ポイントシュートとミドルシュートを連発。この試合34得点を挙げたコーバーンや、15得点のアレンのインサイドアタックや、木村の3ポイントシュートで新潟が食い下がる中、残り33秒、SR渋谷2点リードの場面で関野が、果敢にアレンに身体をぶつけてシュートミスを誘発し、リバウンドを回収したジョーンズからベンドラメ、マカドゥと繋げた速攻で4点差とすると勝負アリ。SR渋谷が勝利した。

惜しくも敗れた新潟のヘンリーヘッドコーチは、次のように試合を振り返った。「勝つチャンスはありましたが、残念ながら負けてしまいました。難しい場面でも、自分たちのディフェンスを遂行するという努力をしてくれました。ミスもありましたが、ハーフタイムやタイムアウトに修正することもできています。選手たちは良くやってくれたと思います」

勝利したSR渋谷の浜中謙ヘッドコーチは、「選手たちが我慢強く戦って結果が出ました。本当に大きな1勝だと思います」と選手を称えながらも、これからの戦いに向けてディフェンスの課題を話した。「選手たちは僕の指示通りのディフェンスを遂行してくれましたが、新潟さんにはそれを上回るチームケミストリーを感じました。また、第4クォーターの大事な時間帯でセカンドチャンスポイントを2回も取られてしまっています。今後、大事な時間ではより集中し、良いディフェンスをしてからリバウンドを取り切るようにしないといけません。新潟さんとはあと2試合あるので、どうにか修正しないといけないと思います」