「今勝ちたい」バックスと利害が一致
先日カイル・コーバーをジャズにトレードしたキャバリアーズが、再びベテランを放出した。
12月7日、キャブズは、バックスとウィザーズとの3チーム間トレードを成立させた。キャブズはバックスからマシュー・デラベドーバ、ジョン・ヘンソン、2021年のドラフト1巡目指名権と2巡目指名権、ウィザーズからは2022年のドラフト2巡目指名権を獲得。ウィザーズはキャブズからサム・デッカーを獲得し、バックスはジョージ・ヒル、ジェイソン・スミス、2021年のドラフト2巡目指名権、金銭を獲得した。
レブロン・ジェームズの退団が決まった後、今シーズンを『応急処置』のチームで乗り切ろうと考えたキャブズだが、開幕から負けが続くとすぐに方針を転換。指揮官タロン・ルーを解任してチーム再建へと切り替えた。ベテランのカイル・コーバーに続き、今回はヒルを放出した。
バックスはエリック・ブレッドソーもマルコム・ブログドンも故障歴が多く、経験豊富な控えガードを必要としていた。ヒルは今シーズン13試合に出場し、平均10.8得点、2.1リバウンド、2.8アシストを記録。3ポイントシュート成功率も46.4%と高く、今シーズンから3ポイントシュートを多投しているバックスのスタイルにフィットするだろう。ヤニス・アデトクンポを擁する今、優勝を狙えるチームへとステップアップするために、バックスは勝負に出た。
が、もう一つの思惑は年俸の削減。ロールプレーヤーであるデラベドーバとヘンソンの2人でおよそ2000万ドル(約22億5000万円)という金額は負担でしかなかった。来オフには開幕からオールスター級の活躍を見せているクリス・ミドルトン、そして先発のブレッドソーとマルコム・ブログドンもフリーエージェントになる。彼らを手元に残す意味で、年俸を大きく削減する必要があった。ヒルがフィットすればよし、そうでなければヒルは来シーズンの年俸1800万ドル(約20億円)のうち100万ドル(約1億1200万円)しか保証されておらず、バックスにとってはリスクが低い。
ヒルを放出したキャブズは、新人ガードのコリン・セクストンを先発に固定し、経験を積ませられる。それに地元人気が高かった2016年の優勝メンバーであるデラベドーバの復帰は、ファンにとってうれしい報せになったはずだ。
立て続けにベテランを放出しているキャブズが次にトレードするのは、すでに退団が内定しているJR・スミスだろう。そして、年明けに復帰すると言われているケビン・ラブも、場合によっては放出要員になり得る。かつての『ビッグ3』で最後の一人となったラブの動向は、場合によっては優勝争いも左右する。キャブズが仕掛けるトレードが、2月のトレードデッドラインまでにあといくつか成立する可能性は高い。その動向に注目したい。
George Hill pulls up for the smooth jumper!
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— FOX Sports Ohio (@FOXSportsOH) 2018年12月4日