河村は24得点10アシストでダブル・ダブルを達成
3月15日、激しい中地区首位争いを演じる横浜ビー・コルセアーズと川崎ブレイブサンダースの『神奈川ダービー』が実現した。首位の川崎と、僅差でそれを追う横浜BCの試合は、最後の最後まで大接戦。最後は、河村勇輝の3ポイントシュートでリードを奪った横浜BCが守りきり、81-78で勝利した。オフェンスの主軸を担った河村は24得点10アシストというダブル・ダブルのスタッツを挙げた。
横浜BCは、第1クォーター開始5分で5アシストをマークした河村を中心に、持ち味のテンポの速いバスケットから11-0のランに成功し、開始4分で8点のリードを得る。その後、川崎のビッグラインナップにミスマッチを付かれて失点する時間帯もあったが、河村や森井健太らボールハンドラーを中心に相手のゾーンディフェンスを崩す巧みなパス回しを展開。そこからチャールズ・ジャクソンやデビン・オリバーらがイージーシュートを重ね、46-44で前半を折り返す。
対する川崎は第2クォーター、ミスマッチを生かしたニック・ファジーカスの得点や、前半に3ポイントシュートを2本沈めたマット・ジャニングのセカンドチャンスポイントなどで得点。このクォーターは一度もリードを奪えなかったものの3ポゼッション以上の差を許さず、クォーター終了間際には藤井祐眞も3ポイントシュートを沈めた。
第3クォーターに入ると、横浜BCの青木勇人ヘッドコーチが試合後「1つのターンオーバー、1つのリバウンドからガラっと試合を変えられてしまった」と振り返るように、川崎がディフェンスの強度を上げる。クォーター開始早々からボールマンにプレッシャーをかけてスティールし、後半開始2分弱、藤井のトランジションスリーで逆転に成功。藤井のこのプレーが象徴するように、川崎は好守からトランジションを連発し、このクォーターだけでターンオーバーから7点を奪い、2-3のゾーンディフェンスで横浜BCにタフショットを打たせて、クォーター残り2分半にリードを8点まで広げる。終盤に河村の3ポイントシュートで点差を縮められるも、好守とこのクォーター11得点を挙げた藤井の活躍でリードを守り切り、67-64で最終クォーターへ突入した。
第4クォーター、川崎はマイケル・ヤングジュニアやファジーカスらビッグマンが高さを生かして得点を繋ぎ、横浜BCは森井を起点に河村やデビン・オリバーが得点。両者譲らぬ一進一退の攻防が続く中、残り2分弱、ジャクソンのスクリーンを使ってオープンになった河村が値千金の3ポイントシュートに成功し、79-75とリードを広げる。川崎は長谷川技が3ポイントシュートを返して1点差に詰め寄り、ジャニングのシュートで追随しようとするが、横浜BCの赤穂雷太が決死のマークでこれを落とさせ、リバウンドを確保。残り7.2秒に河村がファウルゲームで得たフリースローで3点差まで広げると、ジャニングが放ったラストショットをしのぎ切り、大接戦を制した。
中地区首位に返り咲いた横浜BCの青木ヘッドコーチは、次のように試合を振り返った。「チーム全員による大きな勝利だったと思います。一人ひとりが当事者意識を持って戦ってくれました。川崎さんが前半に外国籍選手をコートに出し続けていたので、第4クォーターにどれだけスピードを持って戦えるかだと考えていました。前回のとどろきでの敗戦や、国プ(横浜国際プール)で『神奈川ダービー』を初勝利できるかなど、この試合に対する思いは強かったです」
敗れた川崎の佐藤賢次ヘッドコーチは、20-11と大きく差を付けられたファストブレイクポイントを敗因に挙げ、次回の『神奈川ダービー』への意気込みを語った。「一番気を付けないといけなかったトランジションのところで20点取られてしまった。そこが大きかったかなと思います。『神奈川ダービー』ということで水曜の夜にもかかわらず、川崎からたくさんファンも来てくれたのに、勝ち試合を見せられなくて残念です。ただ、あと(横浜BCと)2試合残っているので、やり返すしかないと思っています」
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