ミケル・ブリッジズ

勝負どころでチームオフェンスが機能、ウルブズに競り勝つ

現地3月10日、ネッツは前日のバックス戦を終えてすぐにミルウォーキーからミネソタへと移動し、ティンバーウルブズとの試合に臨んだ。バックス戦ではニコラス・クラクストン、スペンサー・ディンウィディー、ロイス・オニール、キャメロン・ジョンソン、ベン・シモンズがケガで欠場。この状況を受けてミケル・ブリッジズは12分、ドリアン・フィニー・スミスは11分しかプレーさせず、先発で起用しても消耗は避させなかった。

東カンファレンス首位のバックスが相手で、あっという間に20点のビハインドを背負う劣勢となったが、それでもパティ・ミルズにキャム・トーマス、渡邊雄太の奮起があり、敗れたものの残り13秒で3点差と詰め寄る好ゲームを展開。結果的には敗れたが、最悪のコンディションでも試合を捨てることなく、チームの雰囲気をポジティブなものに保ち、翌日の試合へと向かった。

ウルブズとの試合ではシモンズを除いて主力がすべて復帰。オーバータイムにもつれた試合で、先発出場した全員が34分以上の出場となったが、ブリッジズは47分出場で34得点、ディンウィディーは45分出場で29得点11アシストと、酷使されながらも勝ちにこだわり、124-123と接戦をモノにしている。

3点ビハインドで迎えた延長の残り1分半、ディンウィディーを起点にしながらコートに立つ5人全員にボールタッチがあり、右から左、インサイドからアウトサイドと目まぐるしくボールを動かして最後はブリッジズの3ポイントシュートで追い付いた。その次のオフェンスでも選手同士が良い距離感を保ってコートを広く使い、起点となるディンウィディーが左コーナーでフィニー・スミスが空くのを待って完璧なアシストを送っている。32得点のアンソニー・エドワーズが1人で打開しようとする強引さが目立つウルブズとは対照的なチームオフェンスで、ネッツが接戦を制した。

ブリッジズは「全員で勝ち取った勝利だ。お互いに助け合い、誰かがミスをすれば別の誰かがより積極的にプレーしてカバーした。何よりも良かったのは絶対に勝ちに行く姿勢だね」と言う。

そして「スペンサーは素晴らしい出来だった。彼にボールを預ければ良いチャンスをクリエイトしてくれる、」と、自分のパフォーマンスではなくディンウィディーを称えた。「オーバータイムに入って彼が連続で得点して、相手の注意が彼に集まった。きっとチャンスが来ると思ったよ。常にアグレッシブで、オープンを見逃さない彼に感謝しなきゃいけないね」

ディンウィディーも「前半で68失点は取られすぎだ。前半の僕らにはディフェンス自体が存在していなかったみたいだ」と自分の功績をなかなか誇ろうとはしなかったが、フィニー・スミスのラストショットのアシストだけは、よほど手応えがあったようだ。

フィニー・スミスをマークしていたのはルディ・ゴベア。彼を一度ペイントエリアから引っ張り出した時点で勝ちだったとディンウィディーは言う。「ゴベアは驚異的なリムプロテクターだけど、リムから遠ざけた上でドライブを仕掛ければブロックを狙ってくる。それでシューターが空くのは計算通りだった」

ネッツはトレードデッドラインにカイリー・アービングとケビン・デュラントを放出し、そこから負けが続いたが、ここに来て4勝1敗と立ち直り、東カンファレンスの6位にいる。残り15試合で、7位ヒートとの2.5ゲーム差を守ってプレーオフのストレートインを勝ち取れるかどうか。ネッツはブリッジズが言うように「絶対に勝ちに行く姿勢」でレギュラーシーズン終盤を戦う。