ステフィン・カリーが復活を印象付ける40得点も、サンダーが上回る
ウォリアーズはステフィン・カリーが戦線復帰したが、レイカーズ戦に続いてサンダー戦にも敗れた。5連勝と波に乗ってエースの復帰を迎えたはずだが、予想外の連敗となっている。ウォリアーズの誰もそれを認めないが、若手中心のサンダーを甘く見た部分があったのかもしれない。だが、ここまで34勝のウォリアーズと31勝のサンダーに大きな差はなかった。
カリーは10本の3ポイントシュート成功を含む40得点とケガの影響を全く感じさせないパフォーマンスを見せた。それでもサンダーはシェイ・ギルジャス・アレクサンダーの33得点を筆頭に、9人ローテーションのうち7人が2桁得点を挙げた。
ジョシュ・ギディーはキャリアハイの17アシストをマークし、今シーズン3度目のトリプル・ダブルで勝利の立役者となった。「ウォリアーズは彼らのスタイルである3ポイントシュートで攻めてきたけど、僕らはよくディフェンスを引き締めて反撃に転じた。攻守の両方でゲームプランを遂行でき、オープンな3ポイントシュートやイージーレイアップをたくさん作れたと思う。勝つために必要なことをやり遂げたんだ」と言う。
ウォリアーズのディフェンスは前半に連携ミスが目立ち、ここをギディーに突かれて前半だけで10アシストを許した。そして後半に守備の強度を上げるもスピードのある攻めに後手に回ってしまい、前半には2本しか与えなかったフリースローを第3クォーターだけで15本も献上した。
ただ、それでも前年王者の力があれば最後に巻き返せたはず。第4クォーター残り3分半で15点ビハインド。ここからカリーを中心に残り1分半で6点差と射程圏内にとらえたが、反撃もそこまで。ここはウォリアーズの問題というよりは、強烈に追い上げられる中でも崩れなかったサンダーの成長が大きい。
ギディーは言う。「チームとしての努力が実ったんだと思う。このところ僕らは複数の選手が良いオフェンスの流れを作り出している。でも、本当に集中すべきがディフェンスだということも僕らは理解している。得点するのに十分なタレントが揃っているからこそ、ディフェンスに集中する。それが継続的にやれるようになった時、僕らは多くのチームと競い合えるようになる」
そしてギディーはシェイとのバックコート・コンビを、ウォリアーズの『スプラッシュ・ブラザーズ』と比較してこう語る。「バックコートはコンビを組んでいきなり上手く行くものじゃない。時間が経てば経つほど良くなっていく。ステフは10年一緒にプレーして、お互いのことを知り尽くしているよね。僕らのコンビは今でも快適だけど、この先はもっともっと良くなるはずだ」
ウォリアーズ相手の快勝は喜ばしいものだが、ギディーにとって残念なのは、祝っている余裕がないことだ。「今夜は勝利を楽しみたいんだけど、そろそろ過去のことにしなきゃならない。素晴らしい勝利で勢いが付いたけど、明日も大きなチャレンジ(サンズ戦)が待っているからね」
一方、カリーは素晴らしいプレーを見せたが勝ち星を得られず。こういう場合は彼が称賛されてチームメートが責められるものだが、彼は先んじて仲間を擁護した。「5連勝した時と今ではプレーのやり方が違う。切り替えるのはそんなに簡単じゃないよ。自信を持ち続けてリズムを保つこと。最高のレベルで戦い、勝とうとしているのだから、お互いへの信頼が揺らいじゃいけない」
自身のプレーについては「時間が進むにつれて力強さを感じていった」とステフは語る。レギュラーシーズン終盤戦でもう悠長なことは言っていられないが、それでも一歩ずつ前に進むしかないことを、百戦錬磨の彼らは理解している。