得点よりもアシストを誇る「良い判断を心掛けたい」
ウォリアーズは勝率5割を行ったり来たりする苦戦がシーズン序盤から続いていたが、ステフィン・カリー復帰を前に5連勝とようやく攻守が噛み合っていた。最善の状況でカリー復帰を迎えた現地3月5日の試合、レイカーズはレブロン・ジェームズとディアンジェロ・ラッセルをケガで欠いており苦戦は免れないと予想された。
それでもレイカーズは素晴らしいパフォーマンスで113-105の勝利を収めた。前年王者との対戦が良い刺激になったのか、発奮が目立ったのがアンソニー・デイビスで、1カ月ぶりの戦線復帰でカリーに集まる視線を力強いパフォーマンスで自分に引き寄せた。
ウォリアーズもデイビスには最大限の警戒をしていたのだが、ケボン・ルーニーはファウルトラブルで20分の出場に留まり、ドレイモンド・グリーンに加えてベテランのアンドレ・イグダーラを駆り出してデイビスをマークするも止められなかった。
第4クォーター残り2分23秒と1分46秒にカリーとクレイ・トンプソンの連続3ポイントシュートが決まり、ウォリアーズは101-103と2点差まで迫ったが、ここでデイビスが落ち着いてイグダーラからファウルを誘ってフリースローを2本決め、さらにミドルレンジのフローターを沈めて、ウォリアーズの流れを断ち切った。
39得点8リバウンド6アシスト2ブロック。特に第4クォーターで12得点と勝負強さが際立った。このデイビスの奮闘を、ヘッドコーチのダービン・ハムは「厳しいディフェンスに遭って顔にも腕にもたくさん打撲を受けているが、戦うのを止めない」と称える。
それでもデイビスは「相手がダブルチームに行けないような状況をみんなで作り、そのおかげで僕はドレイモンドとの1対1に集中できた」と、チームワークの勝利を強調した。彼はむしろ6アシストを誇らしく思っている。アシストが多い選手にとっては大した数字ではないだろうが、彼にとって6アシストはシーズン2番目に良い数字だ。
「自分が良いポジションを取った時、そこから動き出した時に、相手がダブルチームに来ればパスを出す。どんな時でも顔を上げて状況をよく見て、良い判断を心掛けたい。それで他の選手がシュートを決めればチームに勢いも出るし、相手はダブルチームを仕掛けづらくなって、次は僕が1対1で攻めやすくなる。そうやって良い流れを作りたかった」
「それに今はレブロンとディアンジェロを欠いている。この状況でデニス(シュルーダー)に必要以上のプレッシャーは掛けたくなかった。2人のプレーメーカーを欠いている分、僕にボールが渡ることが増えるのであれば、僕が仲間たちを引っ張るようなプレーをしたい」
このデイビスの責任感と勝利への強い意志が、レイカーズに良いチームワークをもたらしているのは間違いない。