河村勇輝 篠山竜青

さらに勝率を伸ばすか?川崎ブレイブサンダース

川崎ブレイブサンダース(23勝15敗/勝率.605/中1位)
オフシーズンに2選手が入れ替わったのみで継続路線で臨んだ今シーズンの川崎は、開幕戦でマット・ジャニングが負傷し約2カ月間の戦線離脱に見舞われた。大黒柱のニック・ファジーカスを中心にゲームを組み立てて中地区首位となっているが、チャンピオンを目指すチームとしてはもう少し勝率を伸ばしていきたいところだろう。

ここまでの川崎ブレイブサンダース
週末の連戦で2連敗を3度しているものの、3連敗することなく着実に勝ち星を積み重ねている。特に水曜ゲームで強さを発揮しており、今シーズンはここまで6戦全勝。昨シーズンまでは3ポイントシュートを多投するチームだったが、ジャニングの欠場も響き戦術変更を余儀なくされていた。ジャニング復帰後からオフェンスが様変わりし、チーム全体のスタッツも伸びている。また、年明けから日本人エースの藤井祐眞が調子を落としていたが、現在は復調して2桁得点を挙げる活躍を見せてチームに好影響を与えている。ディフェンスでは、イージーバスケットやペイントでの2ポイントシュートを簡単に打たせず、タフな3ポイントシュートを打たせてリバウンドをしっかり獲得できている。

今後の対戦

日程ホーム/アウェー対戦チーム
3月8日ホーム新潟アルビレックスBB
3月15日アウェー横浜ビー・コルセアーズ
3月18日ホーム群馬クレインサンダーズ
3月19日ホーム群馬クレインサンダーズ
3月22日ホーム富山グラウジーズ
3月25日ホーム茨城ロボッツ
3月26日ホーム茨城ロボッツ
4月1日アウェー大阪エヴェッサ
4月2日アウェー大阪エヴェッサ
4月5日アウェー信州ブレイブウォリアーズ
4月8日ホーム横浜ビー・コルセアーズ
4月9日ホーム横浜ビー・コルセアーズ
4月12日ホームサンロッカーズ渋谷
4月15日アウェー新潟アルビレックスBB
4月16日アウェー新潟アルビレックスBB
4月19日アウェーシーホース三河
4月22日ホーム三遠ネオフェニックス
4月23日ホーム三遠ネオフェニックス
4月29日アウェー富山グラウジーズ
4月30日アウェー富山グラウジーズ
5月6日ホームサンロッカーズ渋谷
5月7日ホームサンロッカーズ渋谷

東地区の2強と西地区の4強との対戦は既に消化しており、同地区との対戦が多く残る。特に、勝率が並ぶ横浜ビー・コルセアーズとの直接対決は3試合残されているため、中地区の行方を占う重要な一戦が待っている。現状の勝率が5割以上のチームとの対戦は横浜BCと群馬クレインサンダーズのみであり、終盤に向け大型連勝が続く可能性も十分にある。3月はホーム開催が多いため、川崎ブースターの応援を力に変えて波に乗りたいところだ。

展望
ジャニングやジョーダン・ヒースは安定感十分だが、Bリーグ1年目のマイケル・ヤングジュニアがよりチームにフィットしてくることを期待したい。オールラウンダーとしてアドバンテージを取れる相手はたくさんいるため、ヤングジュニアのパフォーマンスが勝敗を左右するだろう。さらに、今シーズンは3人の外国籍選手と帰化選手であるファージカスに得点が偏よるきらいがある。出場時間やスタッツが減少している増田啓介や前田悟、納見悠仁は、能力を考えれば大きく活躍してもおかしくないため、彼らの奮起にも期待したいところだ。チームとしてステップアップするために多くのことに挑戦しているのが見て取れる川崎ゆえ、この後どう実を結ぶのか注目される。

初のチャンピオンシップに視界良好!横浜ビー・コルセアーズ

横浜ビー・コルセアーズ(23勝15敗/勝率.605/西2位)
今シーズンは走れる外国籍選手を獲得して、エースガードの河村勇輝に合わせた高速バスケを展開している横浜BC。ウイング選手の離脱が相次いでいるものの、強固なチームディフェンスで勝ち星を重ねている。地区の中位から下位を彷徨う昨シーズンまでのイメージは完全に払拭されて、Bリーグ開幕以降最高のシーズンを送っている。

ここまでの横浜ビー・コルセアーズ
開幕から広島ドラゴンフライズ、島根スサノオマジック、名古屋ダイヤモンドドルフィンズと西地区の強豪との対戦が続き、5節までは負けが大きく先行した。しかし11月以降、2月の千葉ジェッツ戦で2連敗するまで週末カードでの連敗はなく、確実に勝ち星を積み重ねている。河村のスーパープレーや勝負強さに目が行きがちだが、好調の要因はチーム全体のディフェンス力にある。ペイントをしっかりと固めた上で、相手のフィールドゴール成功率を低くするチームディフェンスを遂行し、ディフェンスリバウンドも多く獲得できている。オフェンス面では、ペイント内での強さやファストブレイクポイントなど効率の良さが特徴的。良いディフェンスからリズム良くオフェンスに繋げられているチームの一つと言えるだろう。

今後の対戦

日程ホーム/アウェー対戦チーム
3月8日ホーム信州ブレイブウォリアーズ
3月15日ホーム川崎ブレイブサンダース
3月18日アウェー秋田ノーザンハピネッツ
3月19日アウェー秋田ノーザンハピネッツ
3月22日ホームシーホース三河
3月25日ホーム信州ブレイブウォリアーズ
3月26日ホーム信州ブレイブウォリアーズ
4月1日アウェー滋賀レイクス
4月2日アウェー滋賀レイクス
4月5日ホームサンロッカーズ渋谷
4月8日アウェー川崎ブレイブサンダース
4月9日アウェー川崎ブレイブサンダース
4月12日ホーム富山グラウジーズ
4月15日アウェー三遠ネオフェニックス
4月16日アウェー三遠ネオフェニックス
4月19日ホーム新潟アルビレックスBB
4月22日アウェーシーホース三河
4月23日アウェーシーホース三河
4月29日アウェーサンロッカーズ渋谷
4月30日アウェーサンロッカーズ渋谷
5月6日ホーム富山グラウジーズ
5月7日ホーム富山グラウジーズ

中断期間明け最初の試合は、5ゲーム差で同地区3位の信州ブレイブウォリアーズと対戦する。信州とは3月に3試合組まれているため、しっかり勝ち切り初のチャンピオンシップ進出を手繰り寄せたい。さらに、川崎とも3試合組まれているため、直接対決を制して地区首位に躍り出たいところ。川崎と同様に、東地区や西地区の上位チームとの対戦は消化済みのため、取りこぼしが許されない戦いが最後まで続く。

展望
攻守に渡りチームに勢いをもたらしていたキング開が長期離脱となっているが、森川正明や大庭岳輝が復帰して戦力が整ってきたのは明るい話題だ。さらに、12月末にプロ契約した松崎裕樹も随所に光るものを見せているため、シーズンが進めば安定して力を発揮してくるだろう。今シーズンは、選手それぞれが自分の役割を遂行している印象があり、特に今シーズン復帰した赤穂雷太はエースストッパーとしてチームに貢献している。若い選手が多いため、それぞれがスペシャリストとして個々の役割をシーズンの最後まで突き詰めていけるかにも注目だ。そして、一連の代表活動で『日本バスケ界の顔』となった河村がどこまで飛躍していくのかも楽しみでならない。

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