ビンス・カーター

「みんな2000年のことを思い出し、今と比較するだろう」

41歳の今も現役を続けているビンス・カーターは、2000年のオールスターウィークエンドで開催された『スラムダンク・コンテスト』で世界に衝撃を与え、NBA史上に残るダンクアーティストとしての地位を不動のものにした。ファンはその翌年以降もカーターのコンテスト出場を熱望し続けたが、2回目の出場は実現していない。

『The Ringer’s Winging It podcast』に出演したカーターは、その理由をこう明かす。

「2000年のダンクコンテストは今も話題になる。どういう影響を与えたのかとか、どこで見ていたのかとかね。あのコンテストが自分にどういう影響を与えたのかも分かっているつもりだ。だから、あの思い出を汚してしまうように感じてしまう。どうしてあれから18年、19年が経とうというのに、出場する必要があるのかってね」

カーターは、今も語り継がれるほどのインパクトを残した2000年の印象が強過ぎるがゆえに、再びコンテストに出場すれば、『ダンクレジェンド』という肩書きに傷がつくと考えている。

「もしコートで誰かのためにダンクを決めることになるとしたら、みんなは2000年のことを真っ先に思い浮かべる。そして今と比較するだろう。あまりにも長い年月が経っているんだ。あのコンテストが自分に与えてくれたものを汚したくない。そのままにしておくべき記憶を、ただ思い出したい。まるでクラシック映画のようにね。再現したりリメイクするのではなくて、最高傑作のまま残しておきたいんだ」

今も試合中に時折ダンクを見せるカーターだが、キャリア全盛期のような大迫力のダンクを決めることはなくなった。カーターは「以前はバスを下りてすぐにでもダンクできたし、飛行機を降りてでも問題なくダンクできた。でも今は違うんだ」と言う。

カーターが2000年に披露したパフォーマンスは、ダンクコンテスト史上に残る不朽の名作として、記憶に焼き付けておくべきなのだろう。伝説は伝説のままにしておく方が、良いこともある。