「新しい選手が出てきたからといって、自分の役割が何か変わることはないです」

バスケ男子日本代表は、2月23日に行われたワールドカップ予選のイラン戦を新戦力のジョシュ・ホーキンソン、渡邉飛勇、金近廉の活躍もあって快勝した。ただ、須田侑太郎の攻守に渡る堅実なプレーも勝利に大きく貢献していたのは間違いなかった。この試合の須田は、3ポイントシュートが5本中1本成功に留まり5得点に終わったが、味方のスクリーンをうまく使ってシュートチャンスを作り出し、打つべきシュートをしっかり打つことでオフェンスのリズムを作り出していた。そして、持ち味の堅実なディフェンスで、イランの得点源であるガード陣をしっかりと抑えていた。

須田はイラン戦の自身のパフォーマンスについて次のように振り返る。「ディフェンスでは結構、手応えがありました。相手のキーマンにプレッシャーかけ続けて守り切れたのは収穫でした」

須田のポジションである2番、3番は、海外組の富永啓生、馬場雄大とチーム内での序列上位の2選手に加え、代表経験豊富な比江島慎、トム・ホーバス体制になって抜てきされた西田優大、さらに今回ブレイクした金近と熾烈なポジション争いとなっている。だが、須田は自身にとって厳しい環境も日本バスケにとって良いことだと語る。「金近選手だったり、若い選手が出てくるのは日本にとって素晴らしいことだと思います。その中で競争の場に立てているのはうれしいことです」

そして、どんな状況になっても自分のやるべきことは変わらないと強調する。「新しい選手が出てきたからといって、自分の役割が何か変わることはないです。自分ができる最大限のパフォーマンスを発揮する、その繰り返しです」

このように須田が語れるのは、次のような自信があるからだ。「高い水準で常に安定感のあるプレーができるのは自分の強みだと思います。そこはブラさずにやっていきたいです。さらにオフェンスで爆発力を加えていきたいです」

明日のバーレーン戦は、ワールドカップ予選の最後の試合となる。これまで代表経験が全くなかった須田は、自分の力を強みを見せつけてメンバー常連となるステップアップを果たした今回の予選を「駆け巡ったという感じです（笑）」と振り返る。

「何もないところからトムさんのおかげだったり、いろいろありながらもここまで来れたことには本当に感謝しています。だからこそ、明日はチームとしてだけでなく、個人としても思い切り良くプレーし、自分の持ち味を発揮して終わりたいです」

才能豊かな選手が揃う中でも、須田はフィジカルの強さを生かした安定のディフェンスと3ポイントシュートで独自の地位を確立している。明日も彼らしい、いぶし銀のプレーで代表に安定感をもたらしてもらいたい。