プレーオフ出場を争う青森と西宮が激突
愛媛オレンジバイキングス(19勝22敗/西4位)vs山形ワイヴァンズ(16勝25敗/東6位)
前節、ロスターが10人を割る厳しい状況ながら福島ファイヤーボンズを相手に1勝1敗と星を分けた愛媛。最終クォーターに追い上げて、2連勝していてもおかしくない内容で、チーム力が垣間見れる試合となった。今節はどれだけ日本人選手が復帰できるかもポイントとなるだろう。先発を務める古野拓巳と俊野佳彦は安定的なパフォーマンスを発揮しているため、セカンドユニットでチームのステップアップを図りたい。昨シーズンまで山形に所属していた河野誠司の活躍にも期待だ。
山形も勝ち星が先行しない苦しい状況が続いている。ハビエル・カーター離脱の影響は大きいものの、前節から加入したケビン・コッツァーが献身的な仕事ぶりを見せた。コッツァーとトーマス・ウェルシュはそれぞれの役割を全うしている中、村上駿斗が前節にキャリハイの33得点と大活躍。今シーズンは得点面において非常に頼れる存在になっているため、今節も村上が3ポイントシュートを打てる展開を作りたい。ただし、前節も香川ファイブアローズが村上に対してルーズベルト・アダムスをマッチアップさせたように徹底マークされることも考えれるため、他の選手の活躍も必須だ。
アースフレンズ東京Z(9勝32敗/東7位)vs福島ファイヤーボンズ(19勝22敗/東4位)
降格圏を脱するためには残り19試合で3ゲーム差以上を追い上げないとならない東京Zは、203cmの韓国人ビッグマンであるイ・ジュンジェを獲得。新戦力とともに前節は青森ワッツと対戦するも連敗を喫した。最後まで青森のインサイドを止めることができなかったため、今節も強力な福島のインサイド陣をどうディフェンスするかがポイントとなるだろう。城宝匡史や鹿野洵生といったベテラン選手が良い働きをしているだけに、若手選手の活躍にも期待がかかる。
直近の3節は1勝1敗が続いており、約1カ月半の間連勝から遠ざかっている福島は、プレーオフ戦線を優位に進めるためにも連勝したいところ。ワース・スミスが加入したものの、ジョシュ・ハレルソンとグレゴリー・エチェニケの負担は大きく、日本人選手の活躍が勝敗のポイントとなってくるだろう。日本人選手の中でも、出場時間が長い長谷川智伸の攻守に渡る躍動に期待したい。今シーズンの勝利した試合の多くが80失点以下に抑えているため、ディフェンスの完成度も重要となる。
越谷アルファーズ(30勝11敗/東2位)vsアルティーリ千葉(32勝9敗/東1位)
ここにきて少しブレーキ気味の越谷は、目下の照準であるA千葉をホームに迎える。連勝すれば勝率で並ぶだけに今後を占う重要な週末となる。前節はライジングセファー福岡を相手にオフェンスが噛み合わず星を1つ落としたものの、欠場が続いていたブレコット・チャップマンが復帰と明るい話題もあった。直近の敗戦ではオフェンスが滞る時間帯が目立っているだけに、いかに40分間リズム良く展開できるかが鍵となるだろう。インサイドのディフェンスを強固にして、自慢のリバウンド力でイニシアチブを握りたい。
現在7連勝中のA千葉は、この7勝のうち6勝が10点差以内での勝利となっており、勝負強さを発揮している。前節の西宮ストークス戦も第1戦が4点差、第2戦が1点差と最後まで勝敗の行方が分からない接戦だった。外国籍選手のパフォーマンスも安定しておりオフェンスに関しては申し分ないが、連勝している直近7試合のうち6試合は80失点以上を喫しているため、ディフェンスのステップアップが必須となる。同地区2位の越谷を突き放すチャンスをモノにできるか注目だ。
長崎ヴェルカ(28勝13敗/西2位)vsバンビシャス奈良(12勝29敗/西6位)
前節、得点源の1人であるジョーダン・ヘディングがフィリピン代表招集のため欠場となったが、タイムシェアを駆使して熊本に連勝した長崎。今節もヘディングは欠場するが、同ポジションの高比良寛治や榎田拓真の活躍も見込まれるため、大きなダメージはないと予想される。絶対的エースのマット・ボンズを擁するものの、得点が偏ることなく全員でしっかり得点を重ねる層の厚さは目を見張るものがある。同地区首位の佐賀バルーナーズを追いかけるためにも、今節も連勝したいところだ。
奈良は前節に佐賀、今節に長崎と上位チームとの対戦が続く。しかし、前節連敗した佐賀戦は、リバウンドで対等に渡り合い、同地区首位を相手に接戦を演じた。チームのスコアリーダーであるクリスチャン・ジェームスの3ポイントシュート成功率が安定しなかったが、日本人選手のプレータイムをシェアして全員で得点を狙う姿が見られた。今シーズンに長崎と対戦した4試合では平均100.8失点しているため、まずはディフェンスを安定させたい。
熊本ヴォルターズ(23勝18敗/西3位)vsライジングゼファー福岡(15勝26敗/西5位)
ベンジャミン・ローソンの欠場に加えて、前節の第2戦でエースのテレンス・ウッドベリーが第2クォーター途中より出場できず苦しい状況が続く熊本。今節も出場が不透明であるため、全員でホームを死守したいところ。ジャメール・マクリーンにかかる負担が大きくなることが見込まれるため、日本人ウイングの磯野寛晃と谷口光貴の得点に期待したい。また、福岡の起点であるマーベル・ハリスを自由にプレーさせないディフェンスもポイントとなる。
3節続けて上位チームとの対戦だったこともあり、勝率を落とした福岡。敗戦の多くはオフェンスが停滞して80得点に届いていないため、アドバンテージの取れるポジションを見極めて得点を重ねたいところ。前回の対戦時に、古巣を相手にキャリアハイの38得点を叩き出したハリスは、前節の得点がシーズン平均を大きく下回っため今節の爆発に期待したい。また、平均26.5分とチームの日本人選手最長出場時間を誇る永吉佑也は、日本代表招集のため前節から引き続き欠場が見込まれる。
青森ワッツ(20勝21敗/東3位)vs西宮ストークス(18勝23敗/東5位)
チームのリバウンドリーダーを務めるマックス・ヒサタケの欠場が続いているが、前節の東京Z戦を連勝し、B2プレーオフ争いを一歩リードした青森。まだまだ混戦模様であるため、連勝した勢いでホーム開催の今節も勝ち星を伸ばしていきたい。アレックス・デイビスやイージェイ・モンゴメリーが誇るインサイドでの強さはもちろん強調していきたいが、ファストブレイクでの得点が増えると勝率が高い傾向にあるため、堅い守備から速攻に持ち込みたい。約1カ月ぶりに前節から復帰したキャプテンの下山大地にも期待したいところ。
前節は地区首位のA千葉を相手に、2戦とも最後まで勝敗が分からない展開まで持ち込むも、連敗を喫した西宮。B2プレーオフ進出に向けて、今節から仕切り直していきたい。仮に今節を連勝すれば青森と勝率で並び、順位では上回れる絶好のチャンスだ。3人の外国籍選手はそれぞれ役割を全うして活躍を見せている上、前節では12月にプロ契約を締結した大阪学院大4年の金田龍弥が今シーズン最長となる28分の出場で、日本人最多となる14得点を記録した。勝ち星こそ先行しないもののチームとしては前向きな印象であるため、今後の躍進が期待できる。
香川ファイブアローズ(12勝29敗/西7位)vs佐賀バルーナーズ(34勝7敗/西1位)
チームの中核を担うリース・ヴァーグがオーストラリア代表に招集されてチームを離れているため、今節は踏ん張りどころの香川。さらに攻守の要であるマイルズ・ヘソンも3試合続けて欠場となっており、今節の出場も不透明。前回の対戦では終盤に追い上げたものの7点差で敗れたため、今節はさらに肉薄できるか注目だ。香川はターンオーバーからの失点が多いため、佐賀の強固なディフェンスに対して不用意なターンオーバーを喫しないよう注意したい。
佐賀も香川と同様に、決して万全なチーム状況とは言えないが8連勝で勝率を伸ばしている。中でもチェイス・フィーラーの活躍は目を見張るものがあり、前節は2試合ともあと少しでトリプル・ダブルというオールラウンドな活躍ぶり。4試合連続で20得点以上もさることながら、ディフェンスでも身体を張ったプレーでチームを牽引。さらに、西川貴之も3ポイントシュートを高確率で成功させて、得点源として活躍を見せている。欠場者がいても綻びのないディフェンス力を誇るため、このまま連勝が伸びる可能性も十分にある。