ブラッドリー・ビール

プレーオフ進出の切り札はラッセル・ウェストブルック獲得?

現地1月16日、ウィザーズはティンバーウルブズを相手に20点ビハインドをひっくり返す劇的な逆転勝利を収め、28勝30敗の東カンファレンス9位でオールスターブレイクを迎えた。

今シーズンここまでのウィザーズはパッとしなかった。出だしは悪くなかったが、開幕1カ月後から3連敗を喫すると、1勝を挟んで10連敗を喫して11勝20敗に。その後も連勝と連敗を繰り返す不安定な戦いぶりが続いた。プレーオフ進出が危ぶまれる状況でクーズマにトレードの噂が出たが、ウィザーズは噂を否定し、再契約を目指すと宣言。八村塁をレイカーズにトレードし、ケンドリック・ナンを獲得したのが唯一の動きで、トレードデッドラインでは動かなかった。

それでも、動かなかったトレードデッドライン以後の4試合を3勝1敗で乗り切り、そのどれもが試合内容が今シーズンベストと言える出来で、これまでとは違うポジティブな雰囲気が感じられる。

最大の変化はエースのブラッドリー・ビールだ。ケガを抱えてコンスタントにプレーができず、チームメートとの連携が十分でないままエースの重責を果たそうと個人でのアタックばかりが増えていたが、彼を中心としたチームバスケットがようやく機能し始めている。

エースがリズムをつかんだことで、クーズマとクリスタプス・ポルジンギスの能力もより生きるようになった。特にポルジンギスとビールはいまだ一緒にプレーする機会が十分ではなく、2人の連携はまだまだ向上する余地がある。また八村がいた頃はその影に隠れてしまっていたデニ・アブディヤが、プレータイムが伸びたことで自信を持ってプレーし始め、「チャンスを与えて成長させたい」というクラブの期待に応えている。

ただ、やはり決定打はビールがコンスタントにプレーして、オフェンスで試合に強い影響力を発揮していることだ。直近の4試合で32得点、33得点、19得点、35得点を記録。彼は今シーズンここまで22試合を欠場しているが、今は5試合連続の出場で、それによりチームの調子が目に見えて上がっている。彼の欠場する試合を極力増やさないことがウィザーズの復調には欠かせない要素となる。

ウルブズ戦を前にビールはこう語っている。「健康であることが最も大事だ。この1年、コンディションに問題を抱えていたチームは評価しないでほしい。これ以上ロスターに変更は加えられないから、このメンバーで今シーズンは乗り切ることになるけど、まだ25試合ある。気を引き締めて競争し続けるんだ。このメンバーでリーグのベストチームと渡り合えることは証明できたから、あとはただ健康を維持し続けるんだ」

ただ、勝率5割に届かない現状からプレーオフ進出を、そしてさらに上を目指すには、もう一手の補強が欲しいところ。そこで噂されるのがラッセル・ウェストブルックの獲得だ。ウィザーズは2021年のオフにウェストブルックをレイカーズにトレードしているが、彼は今回のトレードデッドラインでジャズに送られ、バイアウトとなる可能性が高い。そうなった場合、彼との契約に乗り出すと考えられているのはクリッパーズ、ヒート、ブルズ、そしてウィザーズだ。

ウェストブルックが在籍した2020-21シーズンのウィザーズは、大苦戦を強いられながらも粘り強い戦いぶりでプレーイン・トーナメントを勝ち抜いた。攻守にエネルギーをもたらし、プロとしての姿勢を示し、そしてビールと共存できる彼は、ウィザーズで正当に評価されていた。レイカーズで戦犯扱いをされたウェストブルックにとっても、今一番欲しいのは『正当な評価』だろうし、両者のニーズは一致する。一度はトレードに出したが、バイアウトを経て年俸が下がり獲得しやすくなったウェストブルックは、ウィザーズにとって願ってもない補強となる。